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【リスクマネジメントのプロセス】第3回資格認定試験のポイントと解説②(「リスクマネジメントの基礎を理解する」より)

2014.09.23

家の中には危険がいっぱい!

日本では、0歳を除く子どもの死因トップは「不慮の事故」で、残念なことに1960年以降ずっと変わらない事実です。
安全なはずの家の中でも、たくさんの事故が発生しています。
キッチン、浴室、階段、そして家族がくつろぐ「居間」にさえ、子どもの目線でみると危険がたくさん潜んでいます。

ヒヤリな事例

「気を付けていたはずなのに・・・」
「ちょっと目を離したすきに・・・」
「まさか手が届くとは思わなかった・・・」

大人がちょっと油断したために、守れたはずの命が失われることがあるのです。

ハインリッヒの法則

ひとつの重大事故の背景には、29の軽微な事故、さらに300の「ヒヤリ」とした事例が存在する、という考え方(ヒヤリハットの法則)があります。
保育中に「あぶないところだった~」と胸をなでおろした経験は、誰しも一度くらいはあるかもしれませんが、それはたまたま運が良かっただけ。
一歩間違えば、重大な事故になっていた可能性があることを、しっかりと意識し、事故を防ぐ「しくみ」を整えることが大切です。

出題のねらい

●リスクマネジメントのプロセスを理解しているか
●リスクを評価し、具体的に何をするべきかを提示できるか

試験課題

家の中の危険箇所を示したイラストを読み解き、下記について口述回答する課題です。
「どこが危険箇所なのか」
「なぜ危険なのか」
「危険を回避するにはどうすればよいのか」

状況設定

「1歳のお子さん」をお預かりするお部屋の状態として、イラストを提示しました

合格の基準

●1歳の子どもの発達段階を理解した上でリスクマネジメントができるか
●危険箇所を5か所以上ピックアップできるか
●ピックアップした5か所のうち1か所について、
(1)なぜ危険なのかを説明できるか
(2)危険回避のための対策を説明できるか

ポイント解説

イラストには下記の8か所が危険箇所として示されています
(1)玄関の段差
(2)玄関マット
(3)廊下から居間に入るドア
(4)2階に向かう階段
(5)居間のテーブルに置かれたタバコ
(6)コンセントの差込口
(7)ゴミの詰まったゴミ箱
(8)ソファ

まず、「1歳」のお子さんの発達段階を念頭に置くことが必要です。
子どもの事故は発達段階と密接に関係がしています。どんな発達段階のときに、どんな事故が起きるのかを知っておくことは、事故を予防する上で重要になります。

—–
●1歳の発達段階

発達過程について、保育所保育指針 解説書(厚生労働省)には、以下のように記されています

▼おおむね6か月から1歳3か月未満

座る、はう、立つ、つたい歩きといった運動機能が発達すること、及び腕や手先を意図的に動かせるようになることにより、周囲の人や物に興味を示し、探索活動が活発になる。(後略)

▼おおむね1歳3か月から2歳未満

歩き始め、手を使い、言葉を話すようになることにより、身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけていく。
歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める。(後略)

1歳になると、多くの子どもがつたい歩きをしたり、歩いたりして、行動範囲が広がります。
立ち上がることで、手の届く範囲も広がります。
好奇心も旺盛で、探索活動が激しくなりますが、一方で危険を察知する能力はまだまだ未発達で危険に直面しやすく、大人の配慮が欠かせない年齢です。
まず「子どもから目を離さない」ことが大前提ですが、加えて危険回避の対策は万全にしましょう。

回答例として、いくつかの危険箇所について「なぜ危険なのか」「危険回避のためにどのような対策を取り得るか」をあげておきます。

回答例

●玄関の段差
>なぜ
・転落の恐れがある

>回避策
・居間から出ないように居間のドアをしっかりと閉じておく
・玄関前にベビーガード(柵)を設置する
など

●居間のテーブルに置かれたタバコ
>なぜ
・誤飲の恐れがある
・(火が消えていなければ)やけどの恐れがある

>回避策
・タバコや灰皿は子どもの手が届かないところに置く
など

●コンセントの差込み口
>なぜ
・感電の恐れがある

>回避策
・コンセントカバーをつける
・ソファーの位置をずらして子どもがコンセントに近づけないようにする
など

残り5つの危険箇所について、ぜひこの機会に、「なぜ危険なのか」「危険回避のためにはどのような対策を取り得るか」、そして更に一歩踏み込んで、「万が一事故が起こってしまった場合の対処について」、検討してみて下さい。

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【参考:『乳幼児と青少年の事故による傷害の予防~WHO行動計画~』より抜粋)】

“傷害の発生率が年齢や発達段階と密接に関係していることは、十分予想されることである。実際、傷害の発生率は、乳児が動き始めて身のまわりの〝探索行動〟を開始した瞬間から上昇する。というのは、子どもは、大人のためにつくられた世界で生活しなければならないからである。さらに、大人の世界のなかで、子どもは大人と同じように行動することができないからである。
子どもの体格、体重、身体的バランス、表面積対体重比のすべてが、特定の傷害による死亡リスクを上昇させる要因となっている。

たとえば、大人と子どもが高温の液体に接触して同じ大きさの熱傷を負った場合、傷害を受けた皮膚の割合が大きいため、子どもの方が重度の熱傷を負うことになる。同様に、毒物についても、体重が少ない子どもの方が少量の摂取で中毒量に達することになる。

周囲の〝探索〟は子どもの発達において不可欠だが、子どもたちは身近な周囲の危険性やその本質について理解していないため、このような行動が子どもたちを危険に曝す結果となる。乳児は、物を口に入れる行為が危険であることを知らず、身のまわりのものを何でも口に入れて確認する。
・・・(中略)・・・危険性を判断する能力は発達過程を経て習得されるので、この能力をもたない低年齢の子どもでは、傷害を被るリスクがさらに増大するのである。”
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