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【アナフィラキシーへの対応】第4回資格認定試験のポイントと解説③(「代表的な子どもの病気」より)

2015.05.01

近年、食物アレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をもつ子どもが増加しています。国内の即時型食物アレルギー患者は0歳をピークに加齢とともに次第に減少しますが、食物アレルギーを発症することの多い乳幼児期は、病児保育を多く利用する年齢層とかぶります。

年齢別即時的食物アレルギー患者数(日本小児アレルギー学会HP「食物アレルギー診療ガイドライン2012」より)
年齢別即時的食物アレルギー患者数(日本小児アレルギー学会HP「食物アレルギー診療ガイドライン2012」より)

学校給食でのアレルギー事故が全国で多発し、社会的にも危機感が高まっていますが、病児保育を志すものとして、アレルギーの緊急時対応は、しっかりと押さえておかなくてはなりません。

そのような意図から、第4回試験では、「食物アレルギーによるアナフィラキシーへの対応」を取り上げ、出題しました。

試験課題

<設定>
・あなたは病児保育施設に保育スタッフとして勤務している
・病児保育室の職員構成:保育スタッフ3名、看護師1名。※医師は常駐していない
・保育中の1歳6ヶ月の男児、コタロウくん(胃腸炎の回復期、熱はなし)の様子がおかしい
・今回の症状に対する薬剤等は、預かっていない

<状況>
11時30分 昼食
11時40分 口元に赤いブツブツが出ていることに気がつく
11時50分 咳き込み始める。赤いブツブツが胸元にも見られたためシャツをめくってみるとお腹全体に発疹が見られた
11時55分 咳き込みが激しくなり、複数回の嘔吐。ゼイゼイと明らかな喘鳴が見られ呼吸が苦しそう

<昼食の内容>
卵とじうどん
たまご豆腐
みかんゼリー
麦茶

(設問1&2)
下記3点について、回答用紙に記入してください。

コタロウくんについて、
・どういう状態(何が起こっている)か
・判断の根拠は何か
・その状態を引き起こした原因は何か

設問1で記入した内容を、「状態は・・・」「判断の根拠は・・・」「原因は・・・」という形で読み上げて下さい。
(制限時間:1以内に回答用紙に記入、記入後1分以内で発表  ※合計2分以内)

(設問3&4)
この状況に対してあなたが対応するものとして、
あなたが取るべき対応の手順を回答用紙に記入してください。記入が終わったら「終わりました」と告げて下さい。
設問3で記入した内容を、読み上げて下さい。
(制限時間:3以内に回答用紙に記入、記入後1分以内で発表  ※合計4分以内)

合格の基準

この課題では、下記の3点について判定を行いました。

●正しく状況把握ができる
●判断の根拠を述べられる
●状況への対応が適切である

ポイント解説

この課題の採点基準です。

(設問1&2)
この設問では、状況を正しくとらえ、判断することができるかどうかを問いました。

昼食を食べた後、「口元に赤いブツブツが出て」という状況から、まず食物アレルギーによる症状を疑います。
次に、緊急性が高いアレルギーかどうかの判断が必要になります。

「咳き込み始め」「赤いぶつぶつが胸元・お腹全体」に広がり、「咳き込みが激しくなり、複数回の嘔吐。ゼイゼイと明らかな喘鳴が見られ呼吸が苦しそう」
という状況、およびそれが短時間の間に起こっている、ということから緊急性が高い「アナフィラキシー」が起こっている、という判断ができるかどうかが重要です。

アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入により複数臓器にわたって、全身性のアレルギー症状が起こることを言います。
「複数臓器」にわたって、「全身性」のアレルギー症状が起こる、というのがポイントです。
(※アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」を、アナフィラキシーショックといいます。)
認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座では、講義9「代表的な子どもの病気について知ろう」の中で触れています。(公式テキストでは74~77ページ)

東京都アレルギー疾患対策検討委員会監修の「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」では、「以下の1つでも当てはまる場合」には緊急性の高いアレルギー症状(=アナフィラキシー)と判断する、としています。

【全身性の症状】
□ぐったり
□意識もうろう
□尿や便をもらす
□脈がふれにくいまたは不規則
□唇や爪が青白い

【呼吸器の症状】
□のどや胸が締め付けられる
□声がかすれる
□犬が吠えるような咳
□息がしにくい
□持続する強い咳込み
□ゼーゼーする呼吸

【消化器の症状】
□持続する強いお腹の痛み
□繰り返し吐き続ける

また、アナフィラキシーガイドライン(2014/11/01)/一般社団法人日本アレルギー学会でも、下記の表を掲げアナフィラキシーを定義しています。

*グレード1(軽症)の症状が複数あるのみではアナフィラキシーとは判断しない。
*グレード3(重症)の症状を含む複数の臓器の症状、またはグレード2以上の症状が複数ある場合はアナフィラキシーと判断する。

(設問3&4)
この設問では、緊急時の対応について、正しい知識を持っているかを問いました。

「子どもから目を離さない」というのは、保育者として当然のことですが、特に、緊急時においては重要なポイントです。
また、「危険な状況」と判断したら、迷わず119番すること、救急隊の到着まで、窒息などの危険を回避しつつ状況を観察する、ということが大切です。

模範解答

では、確認したポイントを踏まえた、模範解答を見てみましょう。

(設問1&2)
(1)この状態は、食物アレルギーによるアナフィラキシー症状を起こしていると考えます
(2)根拠は、短時間の間にじんましんが体中に広がり、また呼吸困難な状態になるなど全身性の症状が現れていることです。
(3)原因ですが、昼食に含まれていた卵が原因となった可能性が高いと考えます

(設問3&4)
(1)私自身は子どもから離れず観察する必要があるので、他のスタッフに助けを求めます [加点]
(2)アナフィラキシーを起こしているので、すぐに119番通報する(救急車を呼ぶ/救急搬送しますなど)
(3)口の中に食べ物が残っている場合は取り除く
(4)顔を横に向けて、吐物による窒息を防ぎます

アナフィラキシーが起きてしまったら!子どもの命を救う、実践エピペンの打ち方

即時型食物アレルギーの誘発症状は多岐にわたり、アナフィラキシー症状を起こす恐れもとても高くなります。
特に皮膚症状(蕁麻疹、紅斑など)が極めて多く、また呼吸器症状やショック症状など、生命を危機的な状況に陥らせることも少なくありません。
今回の試験については、「設定から読み取れる範囲」での回答が求められるため、エピペンの使用や心肺蘇生等に言及する必要はありませんが、一連の対応としては押さえておくべきポイントです。

エピペンについては、下記の記事で詳しく触れていますので、この機会におさらいしておきましょう!
「アナフィラキシーが起きてしまったら!子どもの命を救う、実践エピペンの打ち方」
http://sickchild-care.jp/activity/255/

参考リンク(外部)
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2011)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf

食物アレルギー緊急時対応マニュアル(東京都/平成25年7月)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/kj_kankyo/allergy/to_public/kinkyu-manual/zenbun1.pdf

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