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インフルエンザの予防と対策【2017年版】~今あらためて確認したい、感染時の異常行動

2017.12.08

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

国立感染症研究所の発表によると、第47週(11月20日~11月26日)のインフルエンザ患者報告数は7,280人。すべての都道府県で前週より増加し、今シーズン初めて流行開始の基準を上回りました。

本日発表された第48週(11月27日~12月3日)の報告数は12,785人。前週の1.8倍に上っており、これから流行の本格化が見込まれます。

異常行動にそなえ、治療開始後2日間は子どもを1人にしない

今シーズン初めて流行開始の基準を上回った11月末には、厚生労働省から「小児・未成年者がインフルエンザに感染した際は、異常行動に注意する」ことも都道府県を通じて、医療機関に依頼されました。

異常行動と関連すると考えられる転落死等は、2009(平成21)年4月~2017(平成29)年8月末の8シーズンで、計8件報告されています。

以前より異常行動として報告されてきたのは、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、徘徊するなどで、すでにご存知の保育者のかたも多いと思います。

こうした異常行動の内容は変わりませんが、今回の注意喚起の特徴は「抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無に関係ない」ことです。

住居外に飛び出す行動を防ぐために、高層階の住居の場合、一戸建ての場合について具体的な対策も新たに示されています。

少なくとも治療開始2日間は小児・未成年者を1人にしないようにしましょう。

~この記事の目次~
*インフルエンザの種類

*インフルエンザの流行時期
*インフルエンザの症状
*インフルエンザの潜伏期間
*インフルエンザの感染期間
*インフルエンザの感染経路
*インフルエンザの予防
*インフルエンザのケアポイント
*保育士の方へ―保育園で気を付けること
*インフルエンザの登園停止期間
*病児保育にお勤めの方へ―病児保育で気を付けること

 

インフルエンザの種類

インフルエンザウイルスの構造

インフルエンザウイルスには様々な種類があり、ヘマグルチニン(H)とノイラミニダーゼ(N)の組み合わせによって、以下のような種類に分かれます。

・ Aソ連型(H1N1)
・ A香港型(H3N2, H1N2, H2N2)
・ 鳥インフルエンザ(H5N1, H3N9)など
・ B型

主にはA型とB型に分けられ、A型が圧倒的に多数です。
(ある調査ではA型が97%、B型が3%という結果が出ています)

―A型の遺伝子:変異しやすいので、ときどき新たなウイルスが出現し、大流行する
―B型の遺伝子:変異しにくく、いちど感染すると免疫が持続し、大流行しにくい

インフルエンザはこの型変わり(変異)を繰り返しています。

A型はヒトだけでなく動物にも感染し、おもに豚や鶏の体内で、新しい組み合わせのウイルスができます。それがヒトに感染するようになり、ヒトーヒト感染がしばしば起こるようになると「新型インフルエンザ」と呼びます。

大流行が起きるか否かはウイルスのタイプによります。

2009年の新型インフルエンザ騒動の時は、高齢者は免疫のある人が多く、小児と若年成人で患者が多くでました。過去に全く流行したことのないタイプの新型インフルエンザウイルスが出現した場合、大流行ないしパンデミック(世界流行)を起こす可能性があります。侮れない感染症です。

 

インフルエンザの流行時期

11月下旬から12月上旬ごろに始まり、翌年1月から3月ごろに患者数が増加、4月から5月にかけて減少していきます。
timing

いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が広がっていくのが特徴です。

 

インフルエンザの症状

インフルエンザには以下のような症状が見られます。
インフルエンザイラスト
 ●38℃以上の突然の発熱
 ●頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの全身症状
 ●のどの痛みや鼻水、咳
 ●食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢などを伴うことも

合併症として、肺炎、脳炎、中耳炎、熱性けいれん、インフルエンザ脳症を併発する可能性があります。症状だけで、普通のかぜと、インフルエンザを見分けることはできません。また、発症早期にはウイルス量が少なく、迅速検査でインフルエンザと診断できません。

一番の安全策は、風邪っぽくて体調が不良の時は園などを休ませることです。休ませることには二つの目的があります。養生と、他者への感染を防ぐことです。

 

インフルエンザの潜伏期間

1~4日(平均2日間)

 

インフルエンザの感染期間

発熱1日前から3日目をピークとし、7日目ごろまで感染力があります。低年齢児では長引くこともあります。

 

インフルエンザの感染経路

径が80~120nm(1nm=1/1000mm)の非常に微細なインフルエンザウイルスが原因で発症します。
 ●つばなどによる飛沫感染
 ●唾液などがついた手指などによる接触感染

ただし、排出されたウイルスは何日間も感染性を保つことはなく、体外から出たら数時間で死滅します。

 

インフルエンザの予防

手洗い

 

インフルエンザは何をおいても「予防」が肝心。

1.ワクチン接種
2.正しい手洗い
3.体調管理
4.適切な湿度
5.流行時期は人ごみを避ける

 

1.ワクチン接種

インフルエンザワクチン接種の効果は、年齢により異なります。

a) 6ヶ月未満の乳児:出産前の母体がインフルエンザワクチン接種を受けておくことで、インフルエンザの発病を減らすことができます。
b) 1歳未満の乳児:インフルエンザワクチン接種の有効性は明らかではありません。
c) 1歳以上の幼児:インフルエンザワクチン接種は有効です。

また、家族がワクチン接種を受けることで、家庭内での感染を減らすことが可能と考えられます。男性は「自分は大丈夫」と考えて、ワクチン接種を受けない方が少なからずいらっしゃいます。家庭内にウイルスを持ち込まないように、接種をうけましょう。

また年末年始に帰省する方は、お爺さま、お婆さまにもワクチンを受けておいてもらいましょう。65歳以上の方は公費の補助があります。

vaccine

インフルエンザワクチンは接種から効果が出るまで2週間ほどかかります。例年は12月から流行が始まるので、11月中旬までには接種を終えておきましょう。

小児のインフルエンザワクチンは2回(13歳未満)必要です。量が、3歳未満は1回0.25mLで、3歳以上は1回0.5mLです。理想的には4週あけて2回接種します。ですから、1回目は10月中に受けられると良いでしょう。不活化ワクチンです。生ワクチンを含め、他のワクチンと同時接種が可能です。

また、一部の医療機関では「フルミスト」というワクチンも取り扱っています。

従来のインフルエンザワクチンが注射による接種なのに対し、フルミストは鼻に噴霧するワクチンのため、痛みを伴いません。
下記に代表的な違いを記しましたので、接種の際はかかりつけ医にご相談ください。

フルミスト
ナビタスクリニック、横浜市衛生研究所 を基に当協会で作成

 

2.正しい手洗い

外から帰った時、食事の前、トイレの後などに正しく手洗いを実施することが大切。

「ちゃんと洗った」つもりでも、思いのほか洗い残しがあるものです。もういちど「正しい手洗いの手順」を確認しておきましょう。 (関連記事:【感染予防の基本!】正しい手洗いをマスターしよう!

 

3.体調管理
免疫力が低下していると、インフルエンザにかかりやすく、またかかったときに重症化しやすくなってしまいます。日頃から、食事の内容や、睡眠、適度な運動などで免疫を高める努力が大切です。

 

4.適度な湿度
インフルエンザの予防で「部屋の湿度は適切に」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。適切な湿度ってどのぐらいなのでしょうか。ある調査によると湿度が50%よりも低い、または70%よりも高いとウィルスが活性化するという結果が出ています。

つまり、湿度は低すぎても高すぎてもだめ。50%~60%の湿度が、ウイルスの活性化を抑制する「適度な湿度」になります。この50%~60%の適切な湿度を保つことが、予防につながります。

 

5.流行時期は人ごみを避ける
簡単そうで、じつは難しい予防方法ではありますが、流行時期にはできるだけ人ごみを避けるのも有効です。

そのほか、アルコール消毒も予防効果があります。おもちゃなど共有する場合はアルコール消毒をするようにしましょう。

 

インフルエンザのケアポイント

●治療開始後2日間はお子さんを1人にしない
冒頭でもお知らせしていますが、インフルエンザ感染時の異常行動に関する注意喚起が厚生労働省から発表されています。特に治療開始後2日間はお子さんを1人にしないようにしましょう。
抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無と異常行動との因果関係は不明です。
インフルエンザに感染したすべてのお子さんについて、治療開始後2日間は1人にしないようにすることが必要です。

●定められた期間は安静にしてしっかり休養しましょう。
栄養を摂らなければと思ってタンパク質などを摂っても、具合が悪いときは栄養を吸収して身につけることができないため逆効果です。ウィダーインゼリーはタンパク質なのでお勧めしません。

お粥やうどんなどの炭水化物で栄養補給するのがいいでしょう。水分補給にはOS-1(砂糖と塩と水)がいいです。

インフルエンザの食事

抗インフルエンザウィルス薬によって解熱した場合でも、感染力が残っている場合もありますし、体調・体力が十分に回復しているとはいえません。

特に乳幼児は、いったん解熱しても再度発熱することもあります。後で述べる登園停止期間中は解熱したとしても安静に過ごしましょう。

 

●解熱剤には要注意

解熱剤の種類によっては急性脳症(Reye症候群)を引き起こすことがあります。アスピリンは禁忌です。薬局で解熱剤を購入する際は、アセトアミノフェンという成分のものにしましょう。判断がつかない場合は、仮にパッケージに「小児用」と書かれていても、安易に解熱剤を服用させないように注意が必要です。

 

保育士の方へ―保育園で気を付けること

流行シーズンに差し掛かったら、徹底した予防対策が肝心です。

地域の流行情報をチェックし、掲示や手紙で保護者に向けての注意喚起をしましょう。以下の内容は、保育所内はもちろん、各家庭でも重要な感染予防です

 

●咳エチケット

職員だけではなく、園児にも咳エチケットを指導しましょう。
咳・くしゃみをするときはティッシュと口で鼻を覆い、一度使ったら捨てるようにします。
ティッシュが無い場合にも、手で受け止めることの無いように、服の袖で受けるようにしましょう。

●マスク

感染しているものの、症状があらわれなかったり軽症で済むケースの割合は、園児より職員(成人)に高いと考えられます。保育所で流行している場合には全員がマスクをするなどして、感染防止に努めましょう。

また、園児がマスクをしている場合、かわいいマスクを園児同士で交換することが無いように注意しましょう。

●室温・湿度

ウィルスは乾燥した環境では長く活動してしまいます。また、乾燥により鼻やのどの粘膜を痛めていると感染しやすくなってしまいます。適度な温度(20℃~23℃)・湿度(50~60%)を保ちましょう。時折換気をすることも忘れずに。

 

インフルエンザの登園停止期間

学校保健安全法により、発熱した日を0日目として、発症後5日を経過し、 かつ解熱した日を0日目として(乳幼児の場合)解熱後3日を経過するまでと定められています。

 

病児保育にお勤めの方へ―病児保育で気を付けること

●預かりの基準

多くの各施設・事業ではインフルエンザの際のお預かりの基準が定められてます。

例:発熱後3日目から、医師が病児保育の利用を認めた場合、インフルエンザはお預かり不可、タミフル服用時は不可、など

お預かり前に医師の診断や投薬の指示をきちんと確認することが大事です。

 お薬

●隔離

感染症のため隔離はもちろん必要ですが、異なる型のインフルエンザの罹患児を一緒に保育すると、罹患していた型とは異なる型のインフルエンザにさらに罹患する場合があります。隔離の際は、どの型の罹患児なのかも留意しましょう。

インフルエンザを正しく理解し、ご自身もお子さんも安全に過ごせる保育を目指しましょう。

 

今回の記事は

認定病児保育スペシャリスト試験公式テキスト(一般財団法人 日本病児保育協会)
2012年改訂版「保育所における感染症ガイドライン」(厚生労働省)
*学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(日本小児科学会)
国立感染症研究所
*インフルエンザ情報サービス(中外製薬)
保健相談マニュアル(日本小児医事出版社)
第1回保育スキルアップ・オープンセミナー資料(講師:ナビタスクリニック院長・久住英二先生)

などを参考に当協会が作成し、医療法人社団 鉄医会の理事長で内科医の久住英二先生に監修いただいた2013年度版の記事 をリライトしました。

久住英二先生プロフィール

2008年にJR立川駅の「エキュート」内にナビタスクリニックを開院。「駅徒歩0分のお医者さん」のナビタスクリニックは現在、川崎・東中野の駅ナカにも展開。All About や THE HUFFINGTONPOST にもチャンネルを持ち、専門分野での情報提供にも精力的に取り組まれていらっしゃいます。

 

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