• ホーム >
  • 【乳児に感染させてはいけない】RSウイルス感染症の症状から治療までまとめました!

【乳児に感染させてはいけない】RSウイルス感染症の症状から治療までまとめました!

2013.10.07

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

 

10月に入り、すっかり秋になりましたね。
「冬が近づき、子どもが病気に感染しないか心配」そんな保護者の方々の声が聞こえてきそうです。

 

RSウイルス感染症写真

 

当協会では季節に合わせた感染症の情報を定期的に配信しています。
今日は、秋から冬にかけて流行する「RSウイルス感染症」です。

押えていただきたいポイントは、

  1. RSウイルスは乳児(1歳未満の赤ちゃん)が感染すると重症化する恐れがある
  2. 2歳以上児や大人が感染しても風邪のような軽症でRSウイルスと気が付かずに乳児にうつしてしまうことがあるので、乳児だけではなく保育園の年中以上児や大人も感染には気を付けなければいけない

 

この2点です。

乳児が感染すると、入院を含めて重症化する恐れのあるRSウイルス感染症。
しかし、RSウイルス感染症は他の代表的な感染症に比べてあまり知られていません。

過去最高の流行が予想される2013年。病児保育をお仕事にされている方、保育園にお勤めの方、そして子どもに関わる大人たちは絶対に知っておかなければなりません。

「流行りの感染症の情報が知りたいけど情報がありすぎてよく分からない・・・」
そんな方のために、現状や、症状、潜伏期間、治療に関してなど、網羅的に情報をまとめました。
しっかりと学習し、責任を持って子どもと接しましょう。

 

キャプチャ

病児保育 感染症

 

~この記事の目次~
●RSウイルス感染症の流行パターン

●乳児の場合悪化することも 大人の理解が必要です
●RSウイルス感染症の特徴
●RSウイルス感染症の症状
●RSウイルス感染症の潜伏期間
●RSウイルス感染症の感染経路
●RSウイルス感染症の予防
●RSウイルス感染症の感染期間
●RSウイルス感染症の治療法
●保育園で気を付けること

 

RSウイルス感染症の流行パターン

RSウイルス感染症は、冬場に流行する感染症です。通常ですと、秋から増加し12月にピークを迎え、年明けは徐々に減少し3月ころに落ち着く、という流行パターンを呈します。

2012年は流行のスタートが早く、秋に流行がピークに達し、そのまま冬まで続きました。2012年10月初旬の週には、一週間あたり5,007例と過去10年で最も多い報告数を観測しました。

報告数は、あくまで、RSウイルスに感染した人で、症状が強く医療機関を受診した人のなかで、RSウイルス感染の有無を検査された人だけですので、実際にはこの何倍もの患者数、感染者数がいます。

 

RSウイルス感染症流行グラフ

 

http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/IDWR2013/idwr2013-38.pdf
出典:厚生労働省 国立感染症研究所 感染症発生動向調査「感染症週報第38週」より

 

都内では9月23日~29日の1週間で、定点報告数が0.94人となっています。
これは、過去5年間の同じ時期と比較すると2番目に多くなっています。年齢別に見ると、0歳児が40.4%、1歳児が35.9%、2歳児が14.6%で、0歳~2歳児までで全体の9割以上を占めています。

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/weekly/2013/39.pdf
出典:東京都感染症情報センター 「東京都感染症週報39週」

 

各メディアもRSウイルス感染症の流行を伝えています。
・朝日新聞(10/1):「RSウイルス、流行の兆し 昨年に迫る勢い」
http://apital.asahi.com/article/news/2013100100010.html
・日経BP net(9/30)「発熱・喘鳴を伴う乳幼児の来院時にはRSウイルス感染を疑って」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20131001/367261/?rt=nocnt

 

乳児の場合悪化することも  大人の理解が必要です

RSウイルス感染症の特徴は、大人に感染しても軽い症状で済みますが、赤ちゃんに感染すると重症化してしまうことです。1歳未満の乳児の場合、インフルエンザよりも死亡数が多いというデータもあります。

またRSウイルス感染症は風邪と症状が非常に似ているので、大人は乳児にうつしてしまわないようしっかりと特徴を理解し、細心の注意を払わなくてはならないのです。

 

RSウイルス感染症の特徴

RSウイルスのRSとは「Respiratory Syncytial(=呼吸器の合胞体)」の略です。

生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに少なくとも1度は感染すると言われています。症状は、軽い風邪のような症状から重い肺炎までさまざまです。 また、初めて感染発症した場合は重くなりやすく、乳期、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。

さらには、低出生体重児や先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全などを持つハイリスク児は要注意です。 よって、乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染しないよう、周りの大人たちには知識が求められます。

 

RSウイルス感染症の症状

乾いた咳が見られます。発熱、鼻水が数日続き、多くは軽症で済みます。熱は、乳児の場合は38℃台が多く,39℃以上の高熱はむしろまれです。

しかし繰り返し述べているように重症化のケースが見られます。7割が通常のかぜのような症状で済み、3割が「呼吸が浅くなる」「ゼーゼーする」「痰がつまる」「呼吸数が増える(1分間に60回)」「眠れない」などの症状が現れ、場合によっては細気管支炎・肺炎となります。さらには、生後1ヶ月未満児の場合、診断が困難な場合があり、突然死に繋がる無呼吸発作にも繋がります

生涯にわたって何度も感染し、幼児期に再感染がよく見られますが、多くは軽症で済むため、RSウイルスだと気が付かないことが多々あります。

 

RSウイルス感染症の潜伏期間

2~8日(主に4~6日)

 

RSウイルス感染症の感染経路

飛沫感染、接触感染が主です。麻疹や水痘、結核のような空気感染はありません。

 

RSウイルス感染症の予防

ワクチンはありません
以下の新生児,乳児および幼児では、シナジスという予防薬(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)を月に1回注射することでRSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症を抑制します。

RSウイルス感染流行初期において
• 在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児及び乳児
• 在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児及び乳児
• 過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児及び幼児
• 24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児
• 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児及び幼児
• 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児及び幼児
(下線部は2013年の新規追加された適応症)

シナジスは高額で、1回の注射にかかる費用が8〜25万程度(体重により使用量が異なるため)かかりますが、健康保険が適用されます。また、乳児医療証が適用される場合もあります。
ほか、上述の通り飛沫感染と接触感染が感染経路であるため、マスクの着用や手洗い・うがいの徹底が重要となります。また、日常的に手に触れるおもちゃやドアノブ、手すりなどはこまめにアルコール消毒を行いましょう。2歳を過ぎた子どもや大人が感染しても、症状が軽いためにRSウイルスだと気が付かないことがあります。

ですので予防のためには、
・自分自身が風邪かな?と思う時
・兄弟姉妹のうち上の子が風邪のような症状の時
乳児にはなるべく近づかない、近づかせないようにしましょう。

 

RSウイルス感染症の感染期間

ウイルス排泄期間は7~21日と長いため、感染が広がりやすいです。

 

RSウイルス感染症の治療法

特効薬はありません。対症療法が重要になります。
咳や発熱などの辛さを和らげてあげましょう。 水分補給も重要となります。

 

保育園で気を付けること

保育風景

 

保育園では多くのお子さんを同時にお預かりしていますよね。また、子どもを預けている保護者の方への支援は保育者の役割の一つです。こういった観点から、保育園では感染が広まらないよう、また園児の重症化を未然に防ぐよう、RSウイルス感染症が疑われる子どもの保護者の方に受診を勧めることが大切です。

そのためには保育士の方もしっかりと感染症の知識を持ち、保護者の方に伝えることができることが大事になってきます。また、非常に感染力が強いので、流行期間中の密な接触(子どもたちをホールに集めての保育、行事など)は控えましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。RSウイルス感染症を理解しておくことの重要性が伝わったかと思います。
もう一度ポイントをおさらいしておきます。

  1. RSウイルスは乳児(1歳未満の赤ちゃん)が感染すると重症化する恐れがある
  2. 2歳以上児や大人が感染しても風邪のような軽症でRSウイルスと気が付かずに乳児にうつしてしまうことがあるので、乳児だけではなく保育園の年中以上児や大人も感染には気を付けなければいけない

 

このように、感染症に関する知識は医師や看護師など医療関係者のみが持っていればよいものではありません。保育士や保護者、子どもに関わるすべての大人が持っていなければならないのです。

これからも当協会では感染症の情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

今回の記事は、

*2012年改訂版「保育所における感染症ガイドライン」厚生労働省
「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員)
厚生労働省RSウイルス感染症Q&A(平成26年12月26日)
日本小児感染症学会免疫不全およびダウン症候群におけるパリビズマブ使用の手引き
アッヴィ合同会社医薬品インタビューフォーム

などをもとに、当協会が作成し、ナビタスクリニック立川院長で内科医の久住英二先生に監修いただきました。

 

 

◆久住英二先生プロフィール
2008年にJR立川駅の「エキュート」内にナビタスクリニックを開院。「駅徒歩0分のお医者さん」ナビタスクリニックは、現在川崎・東中野の駅ナカにも展開。
All AboutTHE HUFFINGTONPOST にもチャンネルを持ち、専門分野での情報提供にも精力的に取り組まれていらっしゃいます。

キャプチャ

病児保育 感染症

 

関連キーワード: ,




3分でわかる認定病児保育スペシャリスト



  • スタッフブログ
  • 合格者の声
資格取得のために申し込み
お申し込みに不安がある方は
  • 今なら無料で講座サンプルを視聴頂けます! くわしくはこちら
  • 認定病児保育スペシャリスト公式テキスト発売中 くわしくはこちら
  • 保育スキルアップ・オープンセミナー(無料)を実施中 くわしくはこちら
  • よくある質問
  • お問い合せ
  • メールニュースに登録

ページトップへ