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熱性けいれんガイドラインが18年ぶりに改定!【知っておくべき3つのポイント】

2015.09.11

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

みなさんこんにちは、JaSCA事務局です。

今日は「熱性けいれんのガイドライン」についてお伝えします。
このガイドラインは医療現場での診療の指針とするものなので、すべての内容が病児保育・保育の現場で必要となるものではありません。
改定された内容のうち、病児保育・保育の現場でも「知っておくべき」「知っておいて損はない」という部分をピックアップしてお伝えします。

この記事でお伝えしたい3つのこと

【1】医療現場での熱性けいれん診療ガイドラインが18年ぶりに改定されたよ
【2】予防のために投与される「ダイアップ坐薬」の適用条件が厳しくなったよ
【3】大切なのは「熱性けいれん」は基本的に怖がることはないよ!ということ。

 

【1】医療現場での熱性けいれん診療ガイドラインが18年ぶりに改定されたよ

国内では熱性けいれんの診療にあたっては、「熱性けいれんの指導ガイドライン 1996年改訂版」が長らく参考にされてきましたが、今年3月にこのガイドラインが18年ぶりに改定されました。
米国ではこまめにガイドラインが改定されており、国内の医師でも、今回の改定をまたずに米国のガイドラインを指針として診療を行う先生も多くいらっしゃったようです。

改定されたガイドライン「熱性けいれん診療ガイドライン2015」は、一般社団法人日本小児神経学会が監修し、診断と治療社から発刊されています。

熱性けいれん診療ガイドライン2015

まずは「熱性けいれん」の定義について、見てみましょう。

【1996年版】
「通常38℃以上の発熱に伴って乳幼児に生ずる発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)で、中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因疾患(異常)のないもの」

【2015年版】
主に生後6~60か月までの乳幼児期に起こる、通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)で、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因がみられないもので、てんかんの既往のあるものは除外される

「乳幼児」というザックリとした表現だった部分が、「生後6か月~60か月」と具体的な表現になりました。
(なお、熱性けいれんの初発時年齢が6か月未満であることは、まれであり、この時期の有熱時発作については他疾患の鑑別が重要であるので、生後1か月や3か月ではなく6か月と定めたとのこと)

【2】予防のために投与される「ダイアップ坐薬」の適用条件が厳しくなったよ

今回の改定の目玉ではないかと思われる部分はここ。
「再発予防」にあたってのジアゼパム(ダイアップ坐薬®)の使用に関する部分です。

従来のガイドライン(熱性けいれんの指導ガイドライン1996年版)では、以下の場合には予防として発熱時にジアゼパム投与を行うのが望ましいとされていました。

(1) 15分~20分遷延する発作が過去に1回でもあった場合
(2) 要注意因子中、2項目またはそれ以上が重複陽性で、過去に発作を2回以上経験している場合

————————————
<要注意因子>
a) てんかん発症に関する要注意因子
(1) 熱性けいれん発症前のあきらかな神経学的異常もしくは発達遅延
(2) 非定形発作(部分発作、発作の持続が15~20分以上、24時間以内の繰り返し、のいずれか1つ)
(3) 両親、同胞におけるてんかんの家族歴

b) 熱性けいれん再発に関する要注意因子
(1) 歳未満の熱性けいれんの発症
(2) 両親または片親の熱性けいれんの既往
————————————
今回の改定によって、次のように変更となりました。

遷延性発作(15分以上)の既往がある場合」または、下記のうち2つ以上を満たした熱性けいれんが2回以上反復する場合に、ジアゼパム(ダイアップ坐薬®)を投与する。

(1)焦点性発作または24時間以内に反復
(2)熱性けいれん出現前より存在する神経学的異常・発達遅滞
(3)熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
(4)生後12カ月未満
(5)発熱後1時間未満での発作
(6)38℃未満での発作

ちょっと小難しいですね。
つまり、15分以内の単純型熱性けいれんは、何回繰り返してもダイアップ予防の対象にならないということのようです。

(参照:熱性けいれん診療ガイドライン2015「第2部各論 4.治療(1)発熱時のジアゼパム坐薬」に詳しく載っています)

【3】大切なのは「熱性けいれん」は基本的に怖がることはないよ!ということ。

当協会がセミナーや記事監修でお世話になっている小児科医の北浜直先生も、ご自身のブログでおっしゃっていますが、熱性けいれんは「怖くない」ということを知り、理解することが、大切です。
熱性けいれんのほとんどは「単純型熱性けいれん」で、単純型熱性けいれんは基本的には「良性疾患」であり、熱性けいれんが原因となって死ぬことも、後遺症を残すこともありません。

慌てる必要がない、ということはコチラの記事でもお伝えしていますので、合わせてご一読ください!
【もう熱性けいれんで慌てない!】基本対応のすべて

 

執筆担当者の雑記

ところで何気なく使っている「ガイドライン」という言葉、一般的には「指標」「指針」といった意味で使われますね。
医療の分野でも、大きく異なるわけではありませんが、「診療指針」「標準治療」といった意味で使われます。
「医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で系統的に作成された文書」という米国医学研究所(Institute of Medicine)による定義がよく用いられているようです。

ガイドラインと似た言葉に「マニュアル」があります。
こちらは、使い方ややり方を知らない人に向けて、規則や、ある状況下でどう行動すべきか具体的に示したもので、「それを見て、そのとおりに行動する」ことが期待されるものです。
ガイドラインは先にみたとおり、「標準」を示すものであり、行動を画一化することを目的としていません。「それを見て、そのとおりに行動する」のではなく、「それを見て、目の前の状況に適した判断をするための材料(指標)とする」ことを期待するものです。

普段の病児保育・保育に当たる場合にも、様々な「ガイドライン」を参考にされると思います。
でも、ガイドラインはあくまでガイドライン。
ガイドラインを参考にしつつも「目の前の子どもと向き合い、観察し、その状態の変化を見逃さず」、最終的な判断をすることが、大切なのではないでしょうか。

JaSCAは、「病児保育のツボ」が、みなさまの病児保育・保育のひとつの「ガイドライン」となることを願って、これからも記事を公開してまいります!

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