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合併症のことも知っておきたい感染症~流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)~

2015.11.24

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)とは?

耳下腺の腫れ

出典:みやけ内科・循環器科 町医者の家庭の医学

ムンプスウイルスに感染することで、両側(まれに片側)の耳の下や顎の下が腫れるウイルス性の感染症です。決して、頬が腫れることはありません。一般的には「おたふくかぜ」の名称で知られています。

耳の下の腫れは唾液を分泌する唾液腺の1つである「耳下腺(じかせん)」の腫れです。
まれに同じ唾液腺の中でも、あごの下にある「顎下腺(がくかせん)」、舌と下顎の間にある「舌下腺(ぜっかせん)」が腫れることもあります。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の特徴(ポイント)

腫れる前から38℃台の発熱が出ることもありますが、2-3日で解熱します。
両側(まれに片側)の耳の下が腫れます。

・学校・保育園・幼稚園で集団発生することがあります。
3~6歳の子どもが患者数の約60%を占めています。

合併症として無菌性髄膜炎や、精巣炎、卵巣炎、膵炎、難聴(生涯にわたることが多い)、急性脳炎を起こすことがあります。無菌性髄膜炎は耳下腺腫脹後、多くは1週間以内から発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直を伴い発症します。精巣炎、卵巣炎は小児ではまれで、膵炎は腹痛を訴えます。難聴は片側性感音性難聴ですが、小さい子どもは難聴を訴えることができないため、気付かれないままに年月が経過してしまうことがあります。

WHO(世界健康保健機構)のデータによると、2014年度の日本における患者数は中国に次いで世界第2位でした。日本は世界の中でも有数の、流行性耳下腺炎感染者の多い国といえます。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の流行時期

12月から初夏にかけてです。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の潜伏期間

2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症します。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の感染経路

多くは「飛まつ感染」、あるいは「接触感染」で感染します。
1人の患者から二次感染をさせる平均的な人数(基本再生産数)は、4~7人です(参考:麻しん(はしか)は12~14人、風しんは5~7人)。
乳児や年少児ではウイルスに感染しても症状が現れない(不顕性(ふけんせい)感染)ことがあります。
この不顕性感染、流行性耳下腺炎では感染例の30%程度存在するといわれていますが、不顕性感染であってもウイルスを排泄し、 感染源となります。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にかかりやすい年齢

3~6歳で患者数の約60%を占めます。

ウイルスに感染して、1歳児で症状が出るのは20%程度であるのに対し、4歳以降では90%というデータもあります。(厚生労働省ホームページより)
大人が流行性耳下腺炎に感染することもあります。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の症状

流行性耳下腺炎の経過

大阪大学医学部付属病院 感染管理マニュアルより)

38℃台の発熱とともに、片側ないし両側の耳下腺が痛みを伴って腫れます(耳下腺の腫れが最も多いですが、まれに顎下腺が腫れることもあります)。
腫れは一般に発症3日目頃が最大で、6~10日で消えていきます。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の治療方法(ケアポイント)

つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。
腫れている部分を冷やします。
口の内側にも腫れや痛みが及ぶので、口を動かすのが困難になります。食事は柔らかく調理し、酸っぱい食べ物や果汁などは過剰な唾液分泌につながり、痛みを増強するので避けましょう。
施設型の病児保育では隔離が必要になります。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の感染期間(いつから学校や保育園・幼稚園に行けるの?)

ムンプスウイルスは耳下腺が腫れる7日前から、腫れた後9日まで、唾液から検出されます。
耳下腺が腫れる前3日から腫れた後4日間までの感染力が、特に強いです。
学校保健法では第二種感染症に位置づけられています。「耳下腺、顎下腺、または舌下腺が腫れてから5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで」は登園・登校することができません。

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流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の予防

おたふくかぜ弱毒生ワクチンで予防します(任意接種)。
1歳の誕生日の翌日から接種できます。
1回の接種だけでは十分な免疫を獲得できないため、3-5年後で2回目の接種をします。

水痘ワクチンと異なり、患者と接触した場合の予防策として緊急にワクチン接種を行うのは、あまり有効ではありません。患者との接触当日に緊急ワクチン接種を行っても、症状の軽快は認められても、発症を予防することは困難であるといわれています。

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学校・保育園・幼稚園で気をつけること

・集団発生を起こすことがあります。

・合併症として無菌性髄膜炎(症状の明らかな患者の10%、入院に至る例も1~2%あるといわれています)や、難聴(諸説ありますが、100人~500人の患者に対して1人の割合)、急性脳炎を起こすことがあります。

・日本では年間数百人単位で流行性耳下腺炎の感染に伴う難聴(ムンプス難聴)が発生しているといわれています。難聴は片側性のことが多いですが、まれに両側性のこともあり、生涯にわたります。小さい子どもは自分から難聴を訴えることができません。
気付かれないままに年月が経過してしまうことを防ぐためにも、流行性耳下腺炎に感染したお子さんがいる場合は、小児科だけでなく、耳鼻科をあわせて受診することもおすすめしてみましょう。


 

今回の記事は、下記の資料等をもとに当協会が作成し、北海道稚内市のこどもクリニック はぐの伊坂雅行先生にご指導いただきました。

 

参考文献

・2012年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf

・厚生労働省ホームページ わかりやすい感染症Q&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou16/01.html

・国立感染症研究所ホームページ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/

 

 

伊坂雅行先生のプロフィールはこちら

小児科専門医、周産期(新生児)専門医。2012年に北海道稚内市に「こどもクリニック はぐ」を開設。
メルマガ「はぐマガジン」を発行するなど、積極的に情報を発信されています。
稚内市からの委託を受け、来年2016年春には市内初となる病児保育施設を開設する予定。

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