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【保育園で症候群サーベイランスの取り組みを】子どもを「かぜ症候群」から守ろう!

2015.12.15

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

赤ちゃんに鼻水、咳、発熱などの症状がみられ、小児科を受診すると「かぜ」と診断されることが多いと思います。ここでは、小児科で多い赤ちゃんの病気「かぜ症候群」について、マーガレットこどもクリニック院長の田中純子先生に解説していただきます。

この記事の目次

かぜ症候群とは(定義)
かぜ症候群の症状
かぜ症候群の流行時期、流行パターン
かぜ症候群の感染経路
かぜ症候群のケアポイント
保育中に気をつけること
参考文献・参考URL・監修

かぜ症候群とは(定義)

鼻やのどなどにウイルスなどが感染し、炎症がおこる病気を総称して「かぜ」、「かぜ症候群」と呼んでいます。一般的に「急性上気道炎」のことを指すことが多いです。上気道とは鼻から始まり、声を出す声帯がある喉頭までの空気の通り道のことです。しかし、実際にはかぜは曖昧な概念です。鼻水だけの症状では「鼻かぜ」、のどに強く炎症の症状がある咽頭炎や扁桃炎は「のどのかぜ」などと言われ、下痢や嘔吐の症状がある胃腸炎は「お腹のかぜ」などと言われることもあります。

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かぜ症候群の症状

熱、咳、鼻水といった症状が多いですが、頭痛、全身倦怠感、のどの痛み、関節痛や腹痛、下痢を伴うこともあります。2歳以下の乳幼児のかぜでは15%に下痢を伴うと言われています。また、嘔吐も初発症状となることが多いです。

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かぜ症候群の流行時期、流行パターン

子どものかぜ症候群原因のほとんどがウイルスの感染によるもので、残りは細菌やマイコプラズマなどの感染によるものです。ウイルスの流行する季節と感染に伴う症状にはそれぞれ特徴があります。

以下に、子どものかぜ症候群を引き起こす代表的なウイルスと細菌についてまとめます。

かぜ症候群_図表

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かぜ症候群の感染経路

かぜ症候群はウイルスや細菌などの病原体が鼻やのどなどの粘膜に付着して感染します。感染経路としては感染者がくしゃみや咳をして、病原体を含むしぶき(飛沫)が飛び散り、周囲の人の口や鼻などの粘膜に直接感染する「飛沫感染」があります。感染者からおよそ1~2m以内の距離で感染の可能性があります。自身が咳や鼻水の症状があるときには「咳エチケット」を心がけることで、他者への感染を抑えることができます。

もうひとつの感染経路は、病原体がついた手を介して目や鼻などの粘膜に病原体が感染する「接触感染」です。ドアノブやスイッチ、便座、水栓、吊革など多数の人が触る場所を介して病原体が手に付着し、知らず知らずのうちに手で顔を触って感染します。発症するかどうかは、環境の要因や感染した人の要因によって決定されます。

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かぜ症候群のケアポイント

溶連菌感染症、マイコプラズマ、インフルエンザには治療薬があります。周囲に流行の兆しがあり、該当する症状がある場合には早めに受診すると良いでしょう。ただし、インフルエンザは発熱後12時間程度の時間が経過しないと、迅速検査が正しい結果が出ないことがあります。検査を希望されるときには、熱が出てから半日以上経過してからの受診が適切です。

その他のウイルスは特効薬がありません。免疫の力で自然に治癒しますので、安静にして、ゆっくり休むことが基本です。子どもは大人よりも体重当たりの水分の必要量が多いです。さらに発熱・多呼吸・嘔吐・下痢による水分の消失、水分摂取の減少で容易に脱水症になります。少量ずつでも回数を多くして、こまめに水分をとるように心がけましょう。薬は必ずしも必要ありません。咳や鼻水が辛いときには、それぞれを抑える薬を、高い熱でぐったりしたり、水分が摂れなかったりしたときには解熱剤を適宜使用し、回復を待ちましょう。抗菌薬はウイルスには効果がありません。腸内細菌のバランスを崩し、下痢を起こすこともあります。抗菌薬の多用は耐性菌の増加にもつながりますので、重い中耳炎や細菌の二次感染などの必要な場合に限った使用が望ましいです。

注意すべき合併症として、中耳炎があります。乳幼児は鼻水が多いと、かぜ症候群から容易に中耳炎を合併します。異常な不機嫌がみられたり、耳を気にする様子がみられたときには耳鼻科を受診しましょう。ゼイゼイした呼吸があるとき、呼吸が苦しそうなとき、咳と鼻水があり熱が4-5日と長引くときには、医療機関を受診しましょう。気管支炎、喘息性気管支炎、細気管支炎、肺炎など、かぜ症候群の影響が下気道まで及んでいる可能性があります。あらかじめ主治医の先生に再診のタイミングについて確認しておくと、安心です。

有効な治療法が存在しない以上、予防にこころがけることが大切です。流行時には人混みを避け、外出時にはマスクを付け、手洗いをこまめに行ないましょう。

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保育中に気をつけること

集団生活の中では、子ども達を含め、職員もこまめな手洗いをすることが予防に重要です。特にお子さんの鼻水を拭いたり、咳を受け止めたあとには手洗いを忘れずに。子ども達を含め、職員のみなさんも手を洗った後のふき取りは、使い捨てペーパータオルか、個人持ちのタオルを使用し、共用はしないようにしましょう。エンテロウイルスなど、便に長く排泄されるウイルスもありますので、おむつ交換時には手袋を使用し、終了後にはしっかり手洗いをしましょう。年長児では咳エチケットを理解できるようになりますので、教えていきましょう。

周囲での流行情報をもとに診断がつくこともあります。親御さんたちに、園での流行状況をこまめに伝えることはとても大切です。流行をいち早く察知し対応するために、保育園サーベイランスの取り組みもあります。

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参考文献・参考URL

・日本呼吸器学会「かぜ症候群」HP
(http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2)
・東京都感染症情報センター・咳エチケットHP
(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/cover-cough/)
・症候群サーベイランス・保育園HP
(http://www.syndromic-surveillance.net/hoikuen/index.html)

田中純子先生プロフィール

医療法人社団ペルル理事長、マーガレットこどもクリニック院長。

小児科専門医。平成14年より小児科医として勤務。千葉大学小児科感染症グループに所属。大学では小児の感染症の研究に従事。2014年にマーガレットこどもクリニックを開院し、訪問型病児保育を往診によりサポートする取り組みを行っている。

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