• ホーム >
  • 【セミナー終了報告】アレルギー児保育の最前線 正しい知識と方法で子どもを救え!~第6回保育スキルアップ・オープンセミナー

【セミナー終了報告】アレルギー児保育の最前線 正しい知識と方法で子どもを救え!~第6回保育スキルアップ・オープンセミナー

2014.04.09

こんにちは、JaSCA事務局 三枝です。

去る3月15日に開催したセミナー(概要はこちら)は、年度末ということも手伝ってか、「スケジュールが合わなくて、参加できません(涙)」という声を多くいただいていました。

残念ながら参加できなかったという方、東京での参加は難しい方にはセミナーの様子が伝わり、
当日ご参加いただいた方には講義の復習がわりに使っていただけるよう、ポイントをまとめました。

長文になりますが、ぜひご覧になってみてくださいね。

~この記事の目次~

☆第1部 子どものアレルギー講座

☆第2部 ワークショップ

 

~講義内容~

 第1部 子どものアレルギー講座(益子育代先生)

1970年頃から増え続けているアレルギー。以前から子どものアレルギーが母親の「胎盤経由」や「母乳経由」で起こるのではないか?ということが言われていましたが、最近原因のひとつとして「皮膚経由」が浮上しています。

もともと乳幼児の皮膚は乾燥しやすく、皮膚炎が起きやすい=(大人に比べて)バリア機能が弱いことが知られています。
例えば乳児に多いアトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が低下しているため、保湿・清潔・引っかき防止のためにスキンケアが必要になります。
乳幼児期のアレルギーは成長するにつれて、食物アレルギー、気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎など、いろいろなアレルギー症状が出たり消えたりしていくことがあります(マーチ(行進曲)にたとえて「アレルギーマーチ」と呼ばれます)。

長い目でみると、
正しいスキンケアで皮膚をきれいにすることが、食物アレルギーの予防につながるかもしれないのです。

益子先生の「正しいスキンケア」とは、洗う・塗る・(紫外線防止)の3点セットです。

あたりまえのことで簡単そうですが、乳幼児の弱ったバリア機能を回復(あるいは補強)させることを目的とした場合、「正しいスキンケア」実践には必須のポイントがあります。

まずは正しい洗い方をご紹介します。

第1のポイントは「泡を立てて洗う」ことです。
ここでいう泡とは、「きめが細かい泡であること」「手のひらにのせてさかさまにしても泡がおちてこないくらいに、しっかりした泡」「たっぷりの泡である」ことが必要になります。

第2のポイントは「しわを伸ばして洗う」ことです。
まず頭から最初にシャンプーで洗い、その後に身体を洗うのがよいとのお話がありました。
しわという意味で盲点になりやすい場所として益子先生があげられたのは背中でした。関節のかたまりでしわが多いため、腰を曲げることでしわを伸ばしてから洗うことが大切だそうです。ご存知でしたか。

第3のポイントは「よくすすぐ(手でもうようにしっかり洗う)」ことです。
すすぎ残しの石けんカスは皮膚を悪化させる要因となります。

次に塗り方のポイントも、益子先生に教えていただきました。こちらについてはハンドクリームを軟膏に見立てて、参加者も実際に体験しました。

☆DSC_8067

第1のポイントは「塗るタイミング」です。
洗った後すぐに軟膏や保湿剤を塗ることが大切です。入浴後20分で入浴前と同じ角質水分量に戻るというデータもあります。

第2のポイントは「のせる(かぶせる)ように塗る」ことです。
湿疹のある部位はバリア機能が特に低下しているため、擦り込むように塗るよりのせる(かぶせる)ように均等に塗った方が、効果(軟膏の吸収率)も高まります。

第3のポイントは洗い方と同様に「しわを伸ばして塗ること」です。

正しい洗い方、塗り方のスキンケアを実践すれば、1週間で子どもの肌は違ってくるとのお話もありました。

続いて、これまでのセミナー参加者から要望の多かった「食物アレルギーと緊急時の対応」。

以前は「原因と思われる食物をすべて除去する」治療が主流でしたが、最新の食物アレルギーの治療では「正しい診断に基づいた、必要最低限の食物除去」が行われています。
つまり、(1)食べると症状が誘発される食物だけを除去する、
(2)症状が誘発されない「食べられる範囲」までは食べることができるのです。
原因と思われる食物をすべて除去すると、異物として本当に受け入れられなくなってしまうそうです。

しかし、どんなに気をつけていても、重症なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックが起こる可能性はあります。急速に進行し、場合によっては命に関わることがあります。

実際にショックが起きたときの対応について、東京都から発行されている「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」を参照しながらお話いただきました。

マニュアルには「緊急性が高いアレルギー症状の判断」を5分以内に判断すること、「迷ったらエピペンを打つ!ただちに119版通報をする!」と記載されています。

これはエピペンが筋肉注射で注射後すぐに効果が表れる(5分以内といわれています)こと、
アナフィラキシーショックのどんな症状にも対応できる強みがあるためです。
(※食物アレルギーを持つお子さんに処方されることの多い内服薬は、効果が表れるまでに時間がかかります。)
そして、エピペンを使用した時には、必ず救急車を要請します。

セミナーでは練習用トレーナーを使って、エピペンの打ち方も実習しました。

エピペンの使い方  それそれの動作を声に出して、確認しながら行います

①    エピペンをケースから取り出す

②    オレンジ色のニードルカバーを下に向け、利き手でしっかり握る(グーで握る)

③    青い安全キャップを外す

④    太ももに注射する

注意その1) 衣類の上から打つことができるが(デニムもOK)、縫い目、ポケットは避ける
注意その2) 太ももの付け根と膝の中央部で、かつ真ん中よりやや外側に注射する

⑤    エピペンを太ももから離し、オレンジ色のニードルカバーが伸びているか確認する

⑥  注射した部位を10秒間マッサージする

益子先生の講義の締めくくりは「大事なことは事前の準備と日頃の訓練」でした。

セミナーの参加者からは
・「誤解していた部分もあり、勉強になった。実際にエピペンを扱えたことも大変良かったと思う。実際に使用したくはないが、シミュレーションはしておきたい。」
・「エピペン実習は2度目ですが、継続的な練習が必要だと思うので、よかったです。」
といった日頃から備える必要性を理解されたことがうかがえる感想が寄せられました。

 

 第2部 ワークショップ(ちゃり~先生)

4月は多くの保育士にとってお子さんとの出会いがあること、病児保育では毎日保育するお子さんが異なることが大きな特徴であることから、今回は「初対面の子どもと打ち解けるための遊び」を中心にご紹介いただきました。

●ふれタッチ

1)「こんにちは」を言いながらタッチする
2)手をかざして、子どもにタッチしてもらう
※手の高さや、場所(左右など)変えてタッチできるかやってみる
3)手がパーになったら、子どもにたたいてもらう

グーの時は「ブッブー」
パーの時は「ピンポンピンポーン」、ほめる
子どもが少しでもタッチできたら「すごいね~」とベタボメすると、子どものやる気が違ってくるそうです。車で渋滞中や、電車に乗っている時のお父さんにもおすすめできる遊びとのこと。

●現代版『いっぱんばし こちょこちょ』

「たたいて~つねって~♪」の歌詞を「なでて~もんで~♪」にアレンジします。

私たちが知っている『いっぽんばし こちょこちょ』では、「かいだんのぼって~♪」の後、すぐに「こちょこちょ~♪」とくすぐりはじめますが、ちゃり~先生の現代版では「息すって~、降りてきて~、もいちどのぼって~♪」と手のひらから腕に向かって上っていった2本指を往復させます。

いつもと違う動きに、子どもたちは次にどうなっちゃうの?という期待が高まりそうです。

☆DSC_8560

「かいだんのぼって~♪」の歌詞も「エスカレーターのぼって~♪(2本指をそろえて上っていく)」、「エレベーターでのぼって~♪(手をパーの形にして上っていく)」「うらぐちからのぼって~♪(2本指が腕の下側から脇の下へ上っていく)」などにアレンジされていました。

●タオルあそび『いない~いない~チラッ♪』

あっちむいてホイの要素を取り入れた手あそびです。
顔の前にタオルを持って、「チラッ♪」で左右どちらから少しだけ顔を出す
お互いの顔が見えれば、OK。会えなければ会えないほど、会えたときの喜びが大きいそうです。

YouTubeでタオルあそびの様子を一部ご覧いただくことができます。

セミナーの参加者からは

・「簡単で覚えやすく、楽しく、病児でもできそうなので、よかったです。」
・「遊びは自分でいろいろ考えると無限大にわいてくるものなのだと思いました。また、とても楽しかったです。」
・「現場での子どもの反応が楽しみです。」などの感想をいただきました。

次回のセミナーは6月21日(土)を予定しています。
5月に当サイトで詳細をご案内できるよう、準備を進めております。
今しばらくお待ちください。

関連キーワード: , ,




  • 受講者ログイン
  • よくある質問
  • お問い合せ

ページトップへ