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【アサーティブな対応のロールプレイ】第6回資格認定試験ポイントと解説(1)(病児保育のコミュニケーションより)

2016.02.16

FB160216

第6回認定試験の試験より、「アサーティブミュニケーション」に関する課題について、ポイント解説と模範解答をお伝えします。

試験課題

<設定>

あなたは病児保育室に勤務する保育士です。

本日最後のお迎えの、後藤たけしくんのお母さんが、病児保育室の閉室時刻19時の直前に駆け込んできました。
終了の引き継ぎを終えたところですでに閉室の時刻を5分過ぎてしまいましたが、お母さんは話足りなそうです。
今回のお子さんの病状から、体格や性格のこと・・・と話はどんどん膨らんでいきます。
「はじめての子どもで、自分の育児に自信がないんです」と言うお母さん。
力にはなりたいけれど、育児相談だったら、毎月1回第3土曜日に実施しているんだけどなぁ・・・と思いつつ相槌をうち、気が付くとすでに閉室の時間から10分が経過してしまいました。

設問1
相手を不快な気持ちにさせず、話を切り上げるために、「アサーティブ・コミュニケーションの 手法」を用いて対応したいと思います。 実際にお母さんに話しかける形で、どのように伝えるかを回答用紙に記入してください。 (お母さんの応答は想定せず、ご自身の伝えるセリフのみでお答えください)(制限時間:1分)

設問2
設問1で記入した内容を読み上げながら、お母さんに話しかけてください。(制限時間:1分)

 

合格の基準

アサーティブコミュニケーションの技法を理解し、実際に用いることができる。

 

ポイント解説

この試験課題では、①技法についての理解、②実際の場面でその技法を用いることができるか、という2点に着目して判定を行いました。特に「実際に用いることができる」という点を重視しています。

アサーティブコミュニケーションとは「相手を傷つけることなく、自らの気持ちを率直に表現するコミュニケーション」の手法です。今回の課題では、お母さんの気持ちを受け止めつつ、「もう閉所の時間だから今日は話ができない」ということを伝える必要があります。

アサーティブコミュニケーションの基本的な手順をおさらいしたうえで、解答例を見てみましょう。

<アサーティブコミュニケーションの基本的な手順>
(1)繰り返しで理解を示す
(2)事実を述べる
(3)感情を分けて述べる
(4)提案する
(5)効果を伝える

※詳しくは認定病児保育スペシャリスト試験公式テキスト(P53~56)でも解説しています

 

模範解答

「お母さん、初めての(1)育児に不安をお持ちなんですね。もう(2)19時10分ですね。閉室の時刻を10分過ぎてしまいました。(3)私たちもたけしちゃんの成長のこと、もっとお話出来たら嬉しいなぁと思うのですが、第3土曜日はお忙しいですか?私たちの施設では(4)毎月第3土曜日に、育児・発達相談会を開催しているので、よかったらお越しになりませんか。時間が取れる時の方が、(5)じっくりお話をうかがえそうです。」
(1)繰り返しで理解を示す
あなたのこと理解しているよ、ということをを示すのに相手の言葉を繰り返すことが有効です
「育児について不安をお持ちなんですね」

(2)事実を述べた
状況・事実を簡潔な言葉で伝えます。
「19時10分ですね」「閉室の時刻を10分過ぎてしまいました」

(3)感情を分けて述べた
感情に引きずられることなく、分けて述べます。
「私たちもたけしちゃんの成長のこと、もっとお話出来たら嬉しい」

(4)提案した
今日は閉所の時刻を過ぎていて、お母さんに帰っていただかなければなりません。(3)までのやりとりで相手に寄り添いながら、相互に理解できる「事実」を伝えた上で、具体的な提案をします。大切なのは「曖昧な提案」をしないことです。
具体的な提案であるほど、相手も実施可能かどうか、受け入れることが可能かどうか、具体的に検討することができます。
「わたしたちの施設では、毎月第3土曜日に育児相談・発達相談会を開催しているので、よかったらお越しになりませんか。」

(5)効果を伝えた
提案の効果を添えることで、相手も提案を受け入れやすくなります。
「時間が取れる時の方が、じっくりお話をうかがえそうです」

また、プラスアルファとして、ボディランゲージ(表情や声のトーン、話す速さ、視線など)をはっきりとすることで、伝えたい事もはっきりします。

※コミュニケーションにおけるボディランゲージの重要さについては、前出の公式テキスト(P46~47)の「メラビアンの法則」のところでも解説しています。

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