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【乳児の気道異物除去】第12回資格認定試験のポイントと解説①(「心肺蘇生法・気道異物の除去」より)

2019.02.28

◆第12回認定試験 第3問では「心肺蘇生法・気道異物の除去」から、乳児の窒息と気道異物除去について出題しました。(※以降、第1問→第2問の順に公開いたします)

 

【出題箇所】
●認定病児保育スペシャリストweb講座
講義13「心肺蘇生法・気道異物の除去」
●認定病児保育スペシャリスト試験公式テキスト
巻末資料「気道異物の除去」(120ページ)

試験課題

【設定】
あなたは訪問型病児保育の保育士として働いています。
本日は、風邪と診断されているミオちゃん(0歳10ヶ月・女の子)を、ミオちゃんのご自宅でお預かりしています。
お昼ごはんの時間。ミオちゃんは蒸しパンを食べている時に、喉をつまらせた様子です。
苦しがっていますが、ミオちゃんに意識・反応はあります。

※今、この場所にいるのはあなたとミオちゃんのみです。
※ミオちゃんに食物アレルギーはないものとします。

【設問1】
この状況の後にあなたがとるべき行動は何でしょうか。

<記入> 制限時間:3分
あなたがとるべき行動とその手順を補助用紙に記入してください。
記入が終わりましたら、「終わりました」と告げてください。
<回答> 制限時間:3分
補助用紙に記入した内容をもとに、マネキンをミオちゃんに見立て、
何の動作をするのかを口頭で説明(実況)しながら、
試験官に見えるように実際にその動作を行ってください。
動作が終わりましたら、「終わりました」と告げてください。
※説明(実況)の例:「両手を上にあげます」と言いながら両手を上げる動作をする。
※動作は座った状態のまま行ってください。

合格の基準

この設問では、以下の点について判定を行いました。

◯設定の状況から、アレルギー症状への対応や心肺蘇生ではなく、「乳児への気道異物除去」を行うべきであると判断できているか。また訪問型病児保育のため、自分1人しかいないということを把握できているか。

◯乳児に対する気道異物の除去:背部叩打法・胸部突き上げ法(胸部圧迫法)の手順を正しく理解しているか。

◯背部叩打法・胸部突き上げ(胸部圧迫)法を正確に実施できるか。

ポイント解説

●0歳10ヶ月のミオちゃんは「乳児」ですので、乳児に対する気道異物除去の技法「背部叩打法」「胸部突き上げ法」を行います。
年齢が幼児以上の場合に行う「腹部突き上げ法」は乳児には適さないため、不正解です。

また、気道異物除去に関するガイドラインとの技法名の統一を図るため、2018年にweb講座の動画および公式テキストの技法名を一部変更しました(胸部圧迫法→胸部突き上げ法など)。
今回の認定試験においては、変更前に受講していた、あるいは変更前のテキストを持っている方もおられることから、回答の際、変更前の技法名を答えた場合も正解としています。

●2つの技法「背部叩打法」「胸部突き上げ法」はどちらからはじめても構いませんが、1つの技法を終えるたびに口の中を見て、異物がとれているか確認し、とれていなければもう1つの技法を実施、これを異物がとれるまで繰り返すことができるかも採点のポイントです。

●「背部叩打法」「胸部突き上げ法」の回答の場面では、「そのやり方で除去が見込めそうか」についてもチェックしています。
例を挙げると、
・圧迫する位置は合っているが、その強さが十分でない(明らかに弱い)
・乳児(マネキン)の頭部や体が固定できておらず、圧迫しても正しく力が伝わっていない
と判断できる場合は、減点あるいは不正解としています。

模範解答例

(以下、口頭での説明のみ記載します。回答の際は、これと併せ、技法を実演します)

設定の状況から、蒸しパンが喉(気道)に詰まったために窒息をおこしているものと思われます。そのため、気道異物除去を試みます。

ミオちゃんは乳児なので、背部叩打法と胸部突き上げ法を行います。

まず、背部叩打法を行います。(※胸部突き上げ法との順番は採点に関係なし)
うつぶせにし、腕またはひざの上にのせます。
この時、あごをしっかりと持って固定し、頭が体よりも低い位置になるようにします。
背中の肩甲骨の真ん中あたりを、手のひらの付け根で、5回強く叩きます。
その後、異物が出てきているか口の中を確認し、出てきていなければ胸部突き上げ法を実施します。

ミオちゃんの体をあお向けにします。
腕またはひざの上にのせ、後頭部と首をしっかりと支えます。
この時、頭が体よりも低くなるように位置を保ちます。
胸の真ん中を指2本で、5回、強く圧迫します。

再び、口の中を確認し異物が出てきていなければ、再度、背部叩打法を試み、これを異物がとれるまで繰り返します。

もし、途中でミオちゃんが意識失った場合は、すぐに救急車を呼びます。
無事に異物がとれた場合も、処置を行った際に肋骨等を損傷している恐れがあるため、救急車を呼びます。

事務局の所感

気道異物除去は頻出問題の1つでもあり、多くの保育現場でも学ぶ機会があるためか、今回の出題でも平均得点が高い傾向にありました。

誤った回答としては、以下のような回答が目立ちました。

●胸部突き上げ法を誤って認識している
●救急車を呼ぶ順番が異なっている

それぞれについて、以下に説明します。

●胸部突き上げ法を誤って認識している
背部叩打法は多くの方が正しく回答していましたが、胸部突き上げ法は一部誤った回答がありました。中でも多かったのは、「お腹を圧迫します」と言って、おへそからみぞおち付近を圧迫する回答です。
この場合、実際に異物を除去できる可能性は低く、内臓を損傷してしまう恐れもあることから、不正解としています。

●救急車を呼ぶ順番
回答の最初に「救急車を呼びます」と回答する方も散見されました。
意識がなく、心肺蘇生が必要な場合は「はじめに救急要請」が正解ですが、気道異物除去においては逆(処置が先、救急要請は後)です。

※気道異物除去については、指導する団体によって、内容にわずかな違いがある場合があります。
日本病児保育協会の認定試験においては、web講座で扱う内容に基づいて出題・採点を行っています。

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