【嘔吐時のケア】第15回資格認定試験のポイントと解説②(「基礎的な看病の方法」より)
2020.09.18
第15回認定試験 課題2では、”嘔吐時のケア”を出題しました。
【出題箇所】
認定病児保育スペシャリストweb講座
講義10「基礎的な看病について理解する」
試験課題
【設定】
今日あなたは、カズオくん(3歳)のお宅で病児保育をしています。感染性胃腸炎の診断です。
機嫌よく遊んでいましたが、急に嘔吐しました。
この場にいるのは、あなたとカズオくんのみとします。
【設問1】
カズオくんが嘔吐した後、あなたが病児保育者として子どもに取るべき対応は何でしょうか。
<記入> 制限時間:3分
病児保育者として子どもに取るべき対応をすべて回答補助用紙に記入してください。
記入が終わりましたら、「終わりました」と告げてください。
<回答> 制限時間:2分
回答補助用紙に記入した内容をもとに口頭で回答してください。
回答が終わりましたら、「終わりました」と告げてください。
合格の基準
この課題では、下記の2点について判定を行いました。
・嘔吐時の子どもに対して適切なケアを実践できる
・保護者に発生時の状況を説明できるよう保育記録に記入できる
ポイント解説
本設問では、吐物の処理方法ではなく、嘔吐した子どものケアと親御さんに発生時の状況を説明するために必要な対応を採点基準としました。
設問では「カズオくん(3歳)のお宅で病児保育をしています」「この場にいるのは、あなたとカズオくんのみとします」と設定していますので、「他の子を別の部屋に移動させます」といった病児保育施設での対応を想定した回答は加点していません。
また、水分補給についても、さらなる吐き気を誘発する恐れがありますので時間を空けながら少しずつ与える必要があります。
模範解答例
・まず、嘔吐が起こった時間を確認します。
・その後、嘔吐物の色や量を観察します。
・カズオくんの口の中に残留物が残っていないか確認し、残っていたらガーゼ等で取り除きます。
・カズオくんは3歳なので、うがいができるようであればうがいもさせます。
・カズオくんの汚れた服をきれいな服に着替えさせます。
・感染性胃腸炎のため、また嘔吐があるかもしれませんので横向きに寝かせます。あるいは上半身を起こした方がカズオくんが吐きやすく楽なようでしたら、上半身を起こすことも検討します。
・嘔吐物の処理をします。
・カズオくんは感染性胃腸炎の診断で嘔吐しているため、脱水しやすい状況です。スプーンやスポイトを使い、30分・1時間など時間を空けて少しずつ水分を補給していきます。
・嘔吐の状況や観察したことを記録します。
(ある程度この順番で行うのが好ましいですが、回答時に順序が多少前後していても減点はしていません)
事務局の所感
過去にも出題したことのある課題だったため、過去問題で勉強されていた方が多かったのか、得点が高い傾向にありました。
その中で合否を分けたのは、嘔吐における「水分補給」と「子どもの姿勢」でした。
カズオくんは感染性胃腸炎の診断で嘔吐をしたので、「吐きやすい状態」であることを認識しているかが、ケアする上で大事なポイントです。
少しでも本人が苦しくないように、楽に吐かせる体勢にしてあげる。
嘔吐の分、体内の水分が失われるので補給する。
嘔吐は病児保育において頻繁に発生します。
本問で出題した感染性胃腸炎に限らず、様々な病気で”ウイルス(病原体)を体外に排出しようとする反応”が嘔吐として表れます。それゆえ、嘔吐があったときに慌てることなく、正しいケア・対応を行えるよう正しい対応を身につけておきましょう。
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