【感染経路を断ち切る手洗い】第4回資格認定試験のポイントと解説①(「感染予防」より)
2015.02.27
感染経路を断ち切る手洗い
病児保育に従事するにあたって必要なのは、病気に対する知識や保育看護の技術だけではありません。
感染症をさらに拡げないための感染予防、預り児から保育者自身が罹患しないための感染予防の知識と技術が必要です。
今回は接触感染を防ぐ基本の手洗いについて出題しました。
第1回で手洗いを出題した際は手洗い検査器を用い、手洗いの成果をメインに採点を行いましたが、第4回認定試験では手洗いの技法をメインに採点を行いました。
出題のねらい
以下のポイントを理解できているか
・感染を防ぐための手洗いに必要なポイント
試験課題
正しい手洗いの手順を回答用紙に記入し、回答内容を読み上げながら実際の動作を行う
- 蛇口をひねって水を出すところから開始し、手を拭くところまでで完了とします。
- 時計や指輪は身につけていないものとします
合格基準
以下の手順を行うことができるかどうかを採点しました。
・流水で手を濡らし、泡を立てることができる
・手のひら、甲、指の間、爪、親指、手首など手全体をくまなく洗うことができる
・流水で泡を洗い流すことができる
・ペーパータオル等で水気をよく拭き取ることができる
・30秒かけて洗うことができる
ポイント解説
今回の出題では、親指の周りや爪を洗えていないケースが多くみられました。
手洗いの手順については公式テキスト62ページ、web講座講義8、こちらの記事(【感染予防の基本】正しい手洗いをマスターしよう!)をご確認ください。
重要なのは手順を守って手を洗うだけではありません。
泡立てた石鹸で洗うこと、そして流水で泡を流した後はペーパータオル等で水気をよく拭き取ることが大事です。
泡を立てる理由
石鹸で洗う際、泡を立てることが重要です。
泡を立てることには以下のような意味があります。
【泡で汚れを浮かせる】
泡には汚れを対象物から吸い出すようにはがし取り、包み込む作用があります。
また、きめの細かい泡は表面積が大きくなるため、効率よく汚れを包み込むことができます。
【クッション剤として】
泡は空気を含んでいるのでクッション性があります。泡で包むようにして洗うと、摩擦による肌への刺激が少なくてすみます。
【手のしわなどの溝の汚れを取る】
きめ細かい泡を立てることで、手全体やしわなどの細かい溝にも石鹸液がいきわたります。
ペーパータオルまたは清潔なタオルで手を拭く理由
手洗い後に水分を拭き取るタオルは何を使用していますか?ペーパータオルでしょうか、それとも共用のタオルでしょうか。
手を拭いた後の湿ったタオルは菌の温床となっています。
手洗いにより手指を清潔にしたにもかかわらず、その後手を拭いたタオルから菌を受け取ってしまっては意味がありません。
共用のタオルは使用せず、ペーパータオルを使用するようにしましょう。
保育者、特に「認定病児保育スペシャリスト」としては、「手洗いは最も重要な感染予防対策である」ことを十分に意識するとともに、行動の理由「なぜ?」の部分をきちんと理解し、同僚や子ども達に対しても指導できることが望まれます。
参考
保育所における感染症対策ガイドラインhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf
石鹸百科http://www.live-science.com/