【感染症の子ども、いつから登園・登校できる?】タイプ別:登園・登校のめやす
2016.04.05
感染症を発症した時、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」(厚生労働省)をもとに保育所では“登園のめやす”が、「学校保健安全法」(文部科学省)をもとに学校(幼稚園も含みます)では“出席停止期間”が、それぞれ定められています。
こうした“登園のめやす”及び“出席停止期間”があることで、感染症を発症した子どもは必要な休養を取り、体調を回復させてから登園・登校できるようになります。
同時に、集団生活の場において多くの子どもたちが健康な状態で保育・教育を受けることにもつながります。
感染後に発症した際の対策だけではなく、感染前の対策、すなわち「感染を予防する」「感染拡大(流行)を防止する」する観点からも、こうした“登園のめやす”及び“出席停止期間”に関する基準は大切です。
この“登園のめやす”及び“出席停止期間”、医療の進歩や感染症の流行状況に応じて見直しが行われています。
保護者だけでなく、病児保育や保育に関わる私たちも、最新情報を知っておく必要がありますね。
“登園のめやす”及び“出席停止期間”への理解を深めるため、JaSCAでは病児保育で取り扱うことの多い感染症をその特徴からタイプ分けしてみました。
特徴からみると、浮かび上がったのは7つのタイプ。
新年度がスタートして保育園・幼稚園や学校での生活がはじまるお子さんも多いこの時期、あらためておさらいしてみましょう。
7つのタイプ:登園・登校のめやす
(各感染症のリンクから、詳しい解説がご覧いただけます)
タイプ1:症状に改善がみられ、普段の食事がとれたら
★手足口病⇒発熱や口腔内の水泡・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
★ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等)⇒嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること
★ペルパンギーナ⇒発熱や口腔内の水泡・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
タイプ2:症状に改善がみられ、全身状態が良かったら
★RSウイルス感染症⇒呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと
★伝染性紅斑(りんご病)⇒全身状態が良いこと
★突発性発しん⇒解熱し機嫌が良く、全身状態が良いこと
タイプ3:症状(咳、目など)に改善がみられたら
★マイコプラズマ肺炎⇒発熱や激しい咳が治まっていること
★流行性角結膜炎⇒感染力が非常に強いため、結膜炎の症状(充血、目やに等)が消失してから
タイプ4:抗菌薬の服用後、一定期間が経過したら
★溶連菌感染症⇒抗菌薬の服用後24時間~48時間以上経過していること
タイプ5:発しんが消失、あるいは痂皮化したら
★風しん⇒発しんが消失してから
★水痘(水ぼうそう)⇒すべての発しんが痂皮化してから(かさぶたになってから)
タイプ6:症状に改善がみられた時から、決められた日数が経過したら
★麻しん(はしか)⇒解熱後3日を経過してから
★咽頭結膜熱(プール熱)⇒主な症状(発熱、咽頭発赤、目の充血)が消え2日を経過してから
タイプ7:症状の改善に加え、発症した時から決められた日数が経過したら
★インフルエンザ⇒発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで
(幼児(乳幼児)にあっては、3日を経過するまで)
★流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)⇒耳下腺、顎下腺、舌下腺の膨脹が発現してから5日を経過するまで、かつ全身状態が良好になるまで
※2012(平成24)年4月に学校保健安全法における出席停止期間が改定され、インフルエンザ、流行性耳下腺炎ともに、症状の改善に加えて発症からの日数経過が必要となりました。
例:インフルエンザの場合
(改定前)解熱後2日(幼児(乳幼児)は3日)のみ出席停止期間
⇒(改定後)上記に加え、発症後から5日経過していることをあわせて満たす必要があります。
(インフルエンザ、流行性耳下腺炎のほかに、改定されたのは百日咳です。
特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまでとなっています。)
注意事項
上記7つのタイプは、保育所における感染症対策ガイドライン、学校保健安全法に記載されている感染症のうち、病児保育で取り扱うことを多い感染症を抜粋して分類しています。
全ての感染症はカバーしていませんので、ご注意ください。
年間を通じた感染症の流行時期はこちらでチェック!
⇒いつ!?どんな病気にかかる!?子どもに多い病気の年間カレンダー
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