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SIDSから赤ちゃんを守る!~SIDS(乳幼児突然死症候群)の原因と予防【2019版】~

2019.11.01

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

 

乳幼児突然死症候群(SIDS)は12月以降の冬期に発生しやすい傾向があることから、厚生労働省では、平成11年度から毎年11月をSIDS:乳幼児突然死症候群の対策強化月間としています。つまり、1年に1回は分かっているつもりであってもSIDSについてしっかりと確認しておきましょう、ということですね。

SIDS強化月間ポスター

参照:厚生労働省:11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です

SIDSに関する情報をしっかりとまとめましたので、赤ちゃんを預かる病児保育施設勤務の方・保育士の方、またご自身の赤ちゃんを守る保護者の方、これを機会にしっかりと学習しましょう。

※SIDS以外にも、子どもの代表的な感染症など病児保育に関する情報を豊富に掲載しているので、ぜひご覧になってください!

 

 

 

SIDSの原因

 

そもそもSIDSとはなんでしょうか。

【定義】
「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検 査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群。」
乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)2012年(平成24年)10月~ 

この表現からも分かる通り、SIDSのはっきりとした原因は分かっていません。ただ、男児、早産児、低出生体重児、冬期、早朝から午前中に多いことは判明しています。

参照:
平成9年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究(主任研究者:田中哲郎)」

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SIDSはいつまで?~月齢・年齢~

 

新生児から2歳ごろまで とくに生後2か月から6か月は要注意

SIDSは、新生児・乳児のものであるというイメージが強いですよね。ですが、具体的に発症する月齢・年齢を把握していますか?SIDSは生後2か月から6か月の赤ちゃんに多く見られます。

では、6か月を過ぎるとSIDSの心配は無くなるのでしょうか。そんなことはありません。2歳くらいまでは発症すると言われていますので注意が必要です。

 

SIDSの発症確率

SIDSは約6000~7000人に1人の割合で発症します。
出典:乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)

SIDSそのものの認知の拡大や厚生労働省の啓発活動の結果、発症件数はここ15年ほどで大幅に減少しました。

SIDS_191028

ですが、平成30年度には60人(概数)が死亡しており、乳幼児の死亡原因の第4位となっています。まだまだ自覚を持った注意が必要であることがうかがえます。

 

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SIDSの予防

 

SIDSの直接の原因は分かっていません。そのため、「絶対に予防できる」という手段はありませんが、発症のリスクを低下させることはできます。

 

うつぶせ寝は避ける

うつぶせ寝の方があお向け寝よりも、SIDSの発症確率が高いと言われています。実際、SIDS児の異常発見時の体位は、うつぶせが47.7% あおむけ39.0%となっています。

 

できるだけ母乳で育てる

母乳で育てられている赤ちゃんは、人工乳(粉ミルク)で育てられている赤ちゃんと比べて SIDS の発症率が低いと報告されています。

 

たばこはやめる

両親が喫煙する場合、両親が喫煙しない場合の約4.7倍SIDSの発症率が高いと報告されています。

 

あたためすぎない

赤ちゃんの睡眠時、あまりあたためすぎないように注意しましょう。

 

ただし、これらは発症リスクを低下させるものにすぎません。一番は、保護者・保育者が子どものことをしっかりと見ていてあげることです。睡眠中に異常がないか、呼吸が停止していないか、定期的に確認してあげましょう。

 

できるだけ一人にしない

複数の子どもの保育の場面では、ずっと1対1で見てあげることは難しいことかもしれません。ですが、常に視野を広く持ち、子ども全員に気を配れるような保育者を目指しましょう。

 

SIDSチェック表を利用しよう

SIDSチェック表

睡眠時に赤ちゃんの呼吸を確認するためには、SIDSチェック表を用いるとよいです。睡眠中5分ごとに子どもの鼻の下に指を当てて呼吸をしているか確認し、呼吸していれば「分」の時刻に○をつけていきましょう。また寝ているときの姿勢も確認しておきます。

 

ベビーセンスでSIDS予防

赤ちゃんの呼吸を監視する機械として呼吸監視モニター:ベビーセンスというものがあります。ベビーセンスを用いれば、何か異常があったときにすぐに対処することが可能になります。

 

乳幼児の予期せぬ突然死「SUDI(スーディ)」

SIDSの発生率は減少していますが、1歳以上の乳幼児でも死後検査の結果、原因や死に至るメカニズムが解明できないケースがあります。1歳未満児ではSIDSと診断されることが多いのですが、同様の症例でも1歳以上児の場合は診断が異なってしまいます。
その不合理を解消するために、乳幼児の予期せぬ突然死(SUDI:Sudden Unexpected Death in Infancy)と、新たな概念が提唱されるようになっています。

SUDIには明確な定義はありません。
一般的には「それまでの健康状態や病歴からまったく予期できない突然の死亡」とされ、突然死全体をさします。つまり、SUDIのなかのひとつとしてSIDSが位置づけられ、ほかの突然死例との共通点と相違点を観察することができ、死亡原因や死亡に至ったメカニズムを明らかにできると考えられています。

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SIDS、SUDIについての情報を発信しているサイト

NPO法人SIDS家族の会 http://www.sids.gr.jp/campaign_sids.html
日本SIDS・乳幼児突然死予防学会 http://plaza.umin.ac.jp/sids/index.html
託児ママ マミーサービス http://mommy-sids.com/hoikusisetu.html

いかがでしたでしょうか。
SIDSはいまだ原因不明ですが、子どもを見守るわたしたち大人の心がけ一つで発症リスクを低減させることができます。責任を持って学習しましょう。

▼子どもの代表的な感染症など病児保育に関する情報を知りたい方はこちら!
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