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【これを見ておけば大丈夫!】溶連菌感染症~完治までは2~3週間かかります!

2013.12.17

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

当協会では季節に合わせた感染症の情報を定期的に配信しています。

今日は、「溶連菌感染症」について取り上げます。いずれの年齢でも発症しますが、5~15歳の小児に最も多いといわれています。「名前だけは聞いたことがあるけれど、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。

保育園・幼稚園・学校など集団の場での感染が多く、これから冬に発症のピークを迎えます。ぜひこの機会に学習しましょう。

 

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病児保育 感染症

 

溶連菌感染症の流行パターン

「冬」、「春から夏にかけて」と、年間で2回流行のピークがあります。

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溶連菌感染症の特徴(ポイント)

溶連菌感染症の特徴(ポイント)は3つです。

症状の始まりは38~39度の熱とのどの痛み、嘔吐から。風邪と症状が似ています。
溶連菌は別の大きな病気(合併症)の原因になりやすい細菌です。溶連菌を完全に退治するまで、10日間~2週間ほど抗生物質を飲み続ける必要があります。
完治したかどうかは、発症時の症状が改善した2〜3週間後に検査してわかります。症状がおさまったからといって油断は大敵です!自己判断ではなく、きちんと医師の診察を受けましょう。

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溶連菌感染症の症状

発熱(38~39℃)と、のどの痛み、嘔吐などから症状が始まります。その後、かゆみを伴う赤く細かい発しんが体や手足に現れたり、舌に苺のようなブツブツが発生して(イチゴ舌)、熱が下がると手足の皮膚がむけることもあります。
溶連菌 症状 写真
写真出典:国立感染症研究所感染症情報センター

医師の診察を受け、処方される抗生物質をきちんと飲むことで、大半の場合、熱は3〜5日以内に下がりますが、解熱後約1週間経ってから手足の皮膚がふやけたようにむけてくることがあります。また、アトピー性皮膚炎のお子さんは病変部に溶連菌が入り込むことで重症化することがありますので、注意が必要です。

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溶連菌感染症の潜伏期間

溶連菌は正式には「A群溶血性レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)」と呼ばれる細菌です。
潜伏期間は2~5日間です。

A群溶血性レンサ球菌
写真出典:東京都感染症情報センター

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溶連菌感染症の感染経路

溶連菌感染症にかかった人のせきやくしゃみ、つばなどのしぶきによって感染します(飛まつ感染)。あるいは排出された細菌が手などを介し、口に入ることによって感染することもあります(経口感染)。

感染力は病気のなり始めである急性期に最も強く、急性期の兄弟間での感染率は25%と報告されています(※国立感染症研究所ホームページより)。
子どもから子どもへだけではなく、子どもから抵抗力の低下した大人や妊婦にも感染することがあるので、注意が必要です。

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溶連菌感染症の予防

予防接種はありません。他の感染症と同じく、手洗い・うがいを徹底しましょう。飛まつ感染を予防するためには、マスクも有効です。もし溶連菌感染症にかかってしまった家族がいる場合は、同じコップや食器を使うことは避けましょう。

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溶連菌感染症の感染期間(いつから学校や保育園・幼稚園に行けるの?)

学校保健安全法では第三種(条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる疾患)に位置づけられており、医療機関の受診日とその翌日は登校・登園できません。有効な抗生物質を内服後24時間経つと、感染力はほとんどなくなります。

このころになると解熱することも多く、全身状態が良好となれば登校、通園が可能となります。発しんが出ている場合などは、消えるまで安静にしているのが望ましいです。

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溶連菌感染症の治療法

水分補給を十分に行うこと、有効な抗生物質をきちんと飲むことが大切です。のどに強い痛みがあることが多いため、のどごしがよく、消化のよい食べ物にしてあげてください。食べるのがつらいようでしたら、水分だけでもしっかり摂れるよう心がけてください。

熱が下がってきている時は長湯でなければ、お風呂(シャワー)に入っても大丈夫です。ただし、発しんが出ている場合は、温めるとかゆみが強くなります。温めすぎないようにすること、爪を短めに切って肌をかきすぎて傷をつけないようにします。

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発症時の症状が改善しても要注意!完治の判断は2~3週間後

「有効な抗生物質を飲むと比較的早く感染力もなくなるし、熱やのどの症状も改善するから、大丈夫だわ」と思った方、油断は大敵です!冒頭でもご紹介しましたが、「溶連菌」はきちんと完治しないと、重大な合併症を引き起こす細菌です。

「溶連菌」を原因とする合併症には、心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、血尿やむくみを伴う急性(きゅうせい)糸(し)球体(きゅうたい)腎炎(じんえん)、全身の皮膚に赤い発しんが現れる猩(しょう)紅熱(こうねつ)などがあげられます。

熱が下がっても溶連菌が残っていれば再発の恐れがあります。溶連菌を完全に退治するため、抗生物質は処方どおりに最後まで(10日~2週間の間)飲ませることが重要です。症状が改善した後も、2〜3週間後に尿のなかに血液が混じっていないかを検査します。

この検査をもって、溶連菌感染症が完治できたかどうかわかります。発症時の症状がおさまった、抗生物質を飲み終わったからといって自己判断はせず、必ず発症2~3週間後にも医師の診察を受けましょう。

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学校・保育園・幼稚園で気をつけること

子どもに多く見られる感染症ですが、大人が感染することもあります。
発熱と同時に発疹が出ることもあります。この場合は他のお子さんとは別室で保育しましょう。
アトピー性皮膚炎のお子さんは溶連菌感染症を発症すると重症化することがあります。流行期には保護者へその旨を連絡するようにしましょう。

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今回の記事は
2012年改訂版「保育所における感染症ガイドライン」(厚生労働省)、国立感染症研究所ホームページ東京都感染症情報センターなどをもとに当協会が作成し、山口小児科内科院長 山口義哉先生にご指導いただきました。
▼山口先生へのインタビュー記事はこちら!
http://sickchild-care.jp/report/1050

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