【ほっとせいの病児保育入門塾】~病児保育の意義~
2015.02.17
ほっとせい大先生の病児保育入門塾では、病児保育についてほとんど知識のなかったしのちゃんと一緒に、4か月にわたり病児保育の基礎的知識から勉強をしてきました。
そんな病児保育入門塾も、しのちゃんのインターン卒業に合わせて、今回が最終回となります。
「病児保育に興味がある!」という方や、また「病児保育の存在は知っているけれど、病児保育がどういう保育かあまりわからない」「そもそも病児保育ってなに?」という方に向けて、第1回から連載してきました。
最終回はまとめとして、ほっとせい大先生としのちゃんと一緒に、病児保育の意義を再度考えられる内容となっています。
しのちゃんがこの半年間で学んだ病児保育の意義とは?
第5回、病児保育入門塾の開講です。
しのちゃん、みなさん、こんにちは。いよいよ私の病児保育入門塾も今日が最終講義よ。(ホロリ)
はい、先生・・。まだまだ病児保育について、知りたいことや考えたいことはたくさんあるけれど、今日はインターンの半年間で学んだことを、先生と、みなさんとシェアできたらいいな。
今日は講義のまとめとして、みんなで病児保育の意義をもう1度考えていこうと思っていたから、ぜひ、しのちゃんが半年間で病児保育について学んだこと、考えたことも教えてほしいわ。
それじゃあ、授業を始めましょうか。
病児保育って、どういう保育?
今までの病児保育入門塾では、病児保育の種類や課題などについてお話してきたわね。
けれど、そもそも病児保育って、どういう保育かしら?
しのちゃんは、実際に病児保育の現場で3日間実習をしたわよね?
それと、第1回目の講義「病児保育ってどんな種類があるの?」でも少しだけ触れたけれど、病児保育は通常の保育とどこが違って、どこが同じかしら?
(しのちゃんの実習日誌、オススメよ♪▼【4児のママになりたい女子大生/篠ちゃんの病児保育奮闘記】1日目/2日目/3日目)
ハイ!実習を通して、病児保育が通常の保育と同じなんだって一番感じたことは、子どもは病気の時であっても、「遊びを通して心身共に常に成長し続けている」ということ。
きっと多くの人が思っているように、私も実習に行くまでは「病気の時はしっかり休養をとって、安静にして寝ているべき」と考えていたの。
私は自分自身、子どもの頃に熱を出すと、いつも母に「遊ぶともっとつらくなるわよ、しっかり安静にしていなさい」と言われていたから。
けど、実習にいったら、子どもたちからは「熱があっても遊びたくて仕方がない」というのが伝わってきたの。
確かにあまりにも具合が悪くて、ぐったりして遊ぶ力がないような時もあるし、休養をとって、回復を早めることは大切だけれど。
そうねぇ~。「病気」=「つらい」というのは、一面的だわ。確かに熱があったりノドがいたかったり、病気はつらいこともあるわ。
けれど、そのつらい時でも病状に合った遊びに保育者が誘導してあげることで、「病気でつらかった。けど、○○先生と遊べて楽しかった」というように、病気に対して肯定的な気持ちを持たせてあげることもできるのよ。
そうそう!つらい、だけの時間って長いけれど、大好きな先生と大好きな遊びをしている時間って、本当に一瞬だったのを覚えているもの♪
そうよね。どんな保育であっても「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」(「『保育所保育指針』第1章 総則 3保育の原理」より)ためには、私たち保育者は子どもが病気の時でもより良く生きることを助けて、成長の過程によりそうことが必要よね。
そうだよね。保育って奥が深い・・。
今先生も教えてくれたように、子どもにとっての病児保育は、実習やweb講座を通しても学べたと思う!
でも、働く親御さんにとっての病児保育は?先生も4人の子をもつワーママだものね。
病児保育の現状は・・
これで、「子どもにとっての病児保育」はわかったかしら?
第3回目の講義「病児保育の課題とは?」の冒頭で、病児保育のニーズについて少し触れたけれど、もう一度、私のようにワーママをしている「親にとっての病児保育」についてもおさらいをしましょうか~。
第3回目の講義で「実際に育児をしながら働く女性へのアンケートで『仕事と育児の両立で困っていることは何ですか?』という質問に対して、72%の方が『子どもの突然の風邪や発熱』って答えているわ。それに、『必要性を感じる育児支援制度は何ですか?』という質問には86%の方が『子どもの有給看護休暇』とも答えているくらい、病児保育は本当にニーズの多い保育よ。(認定病児保育スペシャリスト試験 公式テキスト,p9)」って先生言ってたよね。
でも、実際には仕事と子育ての両立ができなくて、出産を機に仕事を辞めちゃう人もいるよね?
先生、日本では実際どのくらいの女性が出産を機に仕事を辞めているの?
そうね・・。日本は女性の労働力率が30~34歳、ちょうど出産や育児のタイミングで急激に落ち込んでいるの。
そのために、グラフの曲線はM字型になっているわ。
労働力率が下がっているってことは、つまり「30~34歳で仕事を辞めている女性が多い」っていうことだよね?
そう予測できるわね。実際に日本では出産を機に、実に7割弱の女性が仕事を辞めているわ。
えぇ!!!予想してたよりも多いかも・・・。
北欧は手厚い社会保障で有名だけど、出産後も働く女性が7割だって聞いたことがあるよ。
それだけ北欧は安心して仕事と育児が両立できる環境が整っているんだね。
少子高齢化に歯止めをかけるには、女性が子どもを産んでも仕事を続けられる社会に変わっていくことが急務よ。
私たち一人ひとりにできること
しのちゃん、日本でも安心して仕事と育児が両立できるよう、病児保育が拡充していくためには、私たちに何ができるかしら?
これも第3回目の講義で少し話したわよね。
病児保育が拡充していかない理由の一つに「人材不足」があったよね。病児保育の担い手になることも、私たち一人ひとりにできること、じゃないかしら。
そうね。仕事と子育ての両立のために、一人ひとりが手をかして病児保育の担い手となっていくことができるわね。
ただ、病児保育は専門性が高くて、幅広い知識の必要な保育よね。だから私たちがweb講座で病児保育を体系的に学べる場を私たちが提供することで、担い手となってくれる人たちをサポートし、また病児保育の質を保つことができると思うの。
病児保育の担い手や、担い手のたまごの人たちと、私たちJaSCAで病児保育の質と量を少しずつ増やしていきたいね。
そうね。すでに病児保育に携わっている人も、少し興味があるけれど一歩が踏み出せない人も、子どもたちの笑顔のために、私たちと一緒に働くママ・パパを支えましょう!!
ほっとせいの病児保育入門塾はいかがでしたか?
最後に、連載が開始した時はほやほやのインターン生だったしのちゃんから、一言挨拶があるようです。
みなさん、4か月にわたり病児保育入門塾を一緒に受けてくださり、ありがとうございました。
この病児保育入門塾は、病児保育になじみのなかった私だからこそ、何かお伝えできることはないかと思い、私が疑問に思っていたことなどを題材にほっとせい大先生と始めた連載でした。
つたない文章でしたが、6か月前の私のように病児保育になじみのない人にも、病児保育を知ってもらい、少しでも関心を持つきっかけになっていれば、非常にうれしいです。
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