【2015年版】新型ノロウイルスが大流行の兆し!予防方法やケアポイントをチェック!!
2015.10.06
この記事の目次
ノロウイルスとは(定義)
ノロウイルスの潜伏期間、症状
ノロウイルスと症状が似ている病気
ノロウイルスの流行時期、流行パターン
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスの予防方法
ノロウイルスのケアポイント
保育所における感染症ガイドライン
参考文献・参考URL
今年のはじめから新たな変異型ノロウイルス(GⅡ.17)が流行の兆しをみせています。
これまでにもノロウイルスは変異型ウイルスの出現により、過去に大規模な流行を繰り返してきましたが、最近は主に GII.4 が流行していたため、免疫を持つ人が増え、大流行になることはありませんでした。
しかし、この変異型ノロウイルス GII.17 には、ほとんどの人が免疫を持っておらず、広く流行する恐れがあるとのことです。しかし、ノロウイルスに対する感染予防については、従来と同様です。
そこで、これから流行時期となるノロウイルスの予防方法やケアポイントについておさらいしておきましょう。
ノロウイルスとは(定義)
特に秋から春先にかけて流行します。ノロウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルスでも人に感染し発病します。
保育園や高齢者施設など集団生活の場では感染がひろがり、不十分な汚物処理で容易に集団感染を引き起こします。
ノロウイルスの潜伏期間、症状
嘔吐の回数は1日10回以上となる場合もありますが、高齢者などを除き重症化することはまれです。
ノロウイルスと症状が似ている病気
激しい嘔吐・下痢による脱水で、入院となるケースも多くあります。
酸味の発酵臭がある白色水様便が特徴的で、便の色が診断基準のひとつになります。
ノロウイルスの流行時期、流行パターン
その年により流行シーズンに若干のずれはありますが、ノロウイルスが初冬(11月~1月)に流行がみられ、
これと入れ替わるように早春(2月~4月)にロタウイルスが始まることが多いようです。まさに、これからのシーズンは要注意です!
ノロウイルスの感染経路
排泄物や嘔吐物に含まれるウイルスは、接触感染だけでなく、空気中にも舞い上がり、空気感染もします。
感染者の体に触ったからうつる、ということはありませんが、触った部分にウイルスが付着していれば、触った人の手にもウイルスが付着します。その手で目や鼻などの粘膜面を触れたり、手づかみで食事を摂れば、体内にウイルスが侵入し、感染することになります。
(1)人から人への感染
ノロウイルス感染者の吐物・便中にウイルスが含まれています。
ウイルスが手などについて口から感染する場合や、嘔吐時には広範囲に吐物が飛び散るため、その飛沫が体につき、手指などを介して感染する場合があります。
(2)人から食品、そして食品から人への感染
食品取扱者の手を介してウイルスが食品につき、それを食べて感染することがあります。
(3)食品から人への感染
生や中心部の加熱が不十分なカキなど、二枚貝を生で食べることによって感染します。
ノロウイルスの予防方法
接触感染、空気感染により感染するので、
(1)①手洗い、②患者の隔離、③糞便・おむつ・吐物の適切な処理
(2)汚染された服や床などの塩素系薬剤による消毒
が予防方法となります。
消毒にあたっては、アルコールやエタノールでは殺菌効果はありません。「85℃以上で1分以上の加熱」と「次亜塩素酸ナトリウム」による消毒が効果的です。
次亜塩素酸ナトリウムは、薬局やインターネットで購入できますが、家庭にある「塩素系漂白剤」には次亜塩素酸ナトリウムを含むものが多いので代用できます。消毒液のつくりかたは、こちらの記事で紹介しています!
次亜塩素酸は薄めると効果がなくなるのが早いので、施設などでは毎日あらたに希釈して使うようにしましょう。
→【ノロウイルスをやっつけろ!】家にある物で簡単にできる次亜塩素酸ナトリウム消毒液のつくりかた
・ノロウイルスの消毒方法
A:便や嘔吐物が付着した床やトイレ、衣類など
0.1%(1,000ppm)の消毒液を用います。消毒液をたっぷりと布に染み込ませて拭いた後、10分くらいしてから水ぶきします。
B:おもちゃ、調理器具、直接手で触れる部分など
0.02%(200ppm)の消毒液を用います。消毒液に10分くらい漬けてから水ですすぎます。
ノロウイルスのケアポイント
電解質濃度の高いイオン飲料(経口補水液OS-1など)をとることで脱水症を防ぐことができます。
有効な抗ウイルス薬はないため、吐気止めや整腸剤を使った対症療法となります。
保育所における感染症ガイドライン
【保育所において留意すべき事項】
・ロタウイルスは3歳未満の乳幼児が中心で、ノロウイルスはすべての年齢層で患者がみられる
・ウイルスが少量でも感染するので、集団発生に注意する
・ノロウイルス感染症では嘔吐物にもウイルスが含まれる。嘔吐物の適切な処置が重要である
・食器等は、熱湯(1分以上)や0.05-0.1%次亜塩素酸ナトリウムを用いて洗浄
・食品は85度、1分以上の加熱が有効(2012年改訂版 保育所における感染症ガイドラインより抜粋)
・保育園などで感染者が出た場合、まず他の預かり児を別室等に移動し隔離する。
嘔吐等のあった部屋は換気を行う。(他の部屋にウイルスの混じった空気が流れないよう注意する)
汚物の取り扱いは使い捨てのエプロン、マスク、手袋(使い捨てのビニール手袋がよい)をして、塩素系消毒剤を使ってふきとり、汚染された衣類は水洗いして塩素系消毒剤を使用します。
・症状が消失した後もウイルスの排泄は2~3週間ほど続くので、便とおむつの取り扱いに注意する
参考文献・参考URL
http://www.amazon.co.jp/dp/4862761380
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tamakodaira/kansen/noro.html