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【咳の症状とケア】コンコン!ケンケン! 赤ちゃんのその咳、大丈夫?

2020.11.26

3分でわかる認定病児保育スペシャリスト

日ごとに朝晩の寒暖差が大きくなる秋は、大人だけでなく、免疫力が弱い子どもたちにとっても気を付けたい季節。

特に、赤ちゃんの咳は一過性のものとして家庭で様子を見ていいのか、小児科へ連れて行った方がいいのか判断に迷うことがあります。 体の小さな赤ちゃんや子どもは、その咳の背後に何か病気が隠れている可能性もあります。咳の特徴からどのような病気が予想できるか、みていきましょう。

子どもの体調の変化は大人よりも早いです。 朝お預かりした赤ちゃんの体調が急変することも。ご家庭で育児されている親ごさん以外にも保育に携わる保育士、ベビーシッター、ファミサポの皆さんもこの機会に是非ご確認ください!

家庭での対応・ケア

咳とは、喉や気管支の粘膜についたウイルスや細菌、ホコリなどを体外に出そうとして起こる反応です。咳は大切な防御反応なので、咳をしているだけなら心配ありませんが咳のため1時間以上も眠れない、食欲が落ちている、発熱その他の症状が加わったときには医師の診断を受けましょう。また、咳だけでも1週間以上続くときには医師の診察を受けましょう。

■このような症状のときには保育園を休みましょう

*発熱を伴わなくても・・・
 ・夜間しばしば咳のために起きる
 ・連続した咳がある
 ・呼吸が速い
 ・37.5℃以上の熱を伴っている
 ・元気がなく機嫌が悪い
 ・食欲がなく朝食・水分が摂れない
 ・少し動いただけで咳がでる

 

■至急、受診を必要とする症状

*37.5℃以上の発熱を伴い・・・
 ・ゼイゼイ・ヒューヒュー音がして苦しそうにしている
 ・犬の遠吠えのような咳がでている
 ・発熱を伴い(朝は無し)息づかいが荒くなった
 ・顔色が悪く、ぐったりしている
 ・水分が摂れない
 ・元気だった子どもが、突然咳き込み呼吸困難になった

 

■ケアのポイント

1:部屋の換気・湿度・温度の調整をして、気候の急激な変化を避け、特に乾燥には注意しましょう
2:安静に過ごし、咳こんだら前かがみの姿勢をとらせて背中をさすったり、軽くたたいたり(タッピング)しましょう
3:咳が落ち着いているときに、水分補給として湯冷ましやお茶などを少量ずつ頻回に飲ませましょう
4:食事は消化の良い刺激の少ないものにしましょう

 

咳の仕方と種類

それでは咳の仕方と種類についてみてみましょう。

■コンコンという乾いた咳の場合

まず一般的な風邪の症状が疑われます。発熱を伴う場合では、急性咽頭炎など喉の炎症が考えられます。咽頭とは鼻の奥から喉の奥までの範囲で、咽頭炎とはこの部分の炎症をさします。咽頭には扁桃腺もありますので、炎症の強い部分が扁桃腺であれば扁桃炎と呼ばれます。

百日咳やマイコプラズマ感染症の初期は「コンコン」した乾いた咳です。同じ乾いた咳でも喘息は、気道の過敏性の亢進により出ると言われています。乾いた咳は、咳き込んで吐いてしまうこともあります。

■ゴホゴホという湿った咳の場合

コンコン咳がだんだんと痰が絡むような湿った咳に変わってきた場合、気管支炎が疑われます。気管支炎は細菌やウイルスによる炎症が気管支まで進んでしまった場合になります。咳が続き、痰が絡む場合もあり発熱もみられ、喉の痛みや不快感を伴います。

また、細菌やウイルスによる炎症が肺まで進んでしまった場合は肺炎にもなります。激しい咳や高熱がでることが特徴で、赤ちゃんの場合は呼吸困難も引き起こす可能性があります。肺炎は、機能が未発達な月齢の低い赤ちゃんでは症状が分かりにくいこともあるので咳が長く続き、赤ちゃんの呼吸が荒いようなら早めに医師に胸の音を聞いてもらいましょう。

■ヒューヒューした咳の場合

乳児の場合、RSウイルス感染症の場合や、喘息の発作のこともあります。

■ケンケンという犬の遠吠えやオットセイの鳴き声様の咳の場合

急性喉頭蓋炎のときにみられ、クループ症候群の可能性が考えられます。場合によっては呼吸困難を引き起こす場合もあり、大変危険です。

咳から考えられる赤ちゃんの病気をあげてみましたが、これはほんの一部です。乾いた咳をしてみたり、湿った咳をしてみたり合わさって咳き込むこともあります。他にも風邪とよく似た症状でもマイコプラズマ感染症、百日咳など色々な病気があります。病気だけみると咳一つでも恐ろしいような気持ちになりますが、いつから咳をしだしたのか、どんな咳なのか、呼吸は落ち着いているかなど赤ちゃんの様子をよく観察し、小児科の診察を受けてください。

参考文献・参考URL

・一般社団法人 日本保育園保健協議会「2013保育保健における感染症の手引き」
これって病気?赤ちゃんの体調を判断できる咳やくしゃみ4つの特徴

 

*この記事は2016年版の記事をリライトしました。

記事の監修:伊坂雅行先生プロフィール

2012年に北海道稚内市に「こどもクリニック はぐ」を開設。小児科専門医、周産期(新生児)専門医、こどもの心相談医、日本医師会認定産業医。メルマガ「はぐマガジン」を発行するなど、積極的に情報を発信。稚内市からの委託を受け、「病児保育施設はぐくみ」を開設。

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