【300億円の予算を盛り込み、水ぼうそうワクチン無料・定期接種化へ!】
2013.12.26
水痘(水ぼうそう)は実はとても怖い病気!
こんにちは、JaSCAの斉藤です。
先日うちの末っ子も罹患した水ぼうそう、実は日本では「乳幼児を中心に、年間およそ100万人が感染し、4,000人程度が入院、20人前後が死亡している」とても怖い病気です。
現状、日本では「任意接種」の扱いで、接種する場合は自己負担(自治体により補助がある場合もあります)となります。1回の接種に必要な費用は6,000円程度、しっかりと免疫をつけるためには2回の接種が必要です。
海のむこうアメリカでは、1995年から水痘ワクチンが小児期に定期接種化され、2006年には定期の2回目の接種も勧奨されました。水痘ワクチン1回接種の定期プログラムを12年間行ってきた結果、水痘が直接因子となる死亡は88%減少したとの結果が出ています。
水痘ワクチンを開発したのは日本人!
水痘(水ぼうそう)ワクチンは、ウイルス学者高橋理明さんが1949年に開発。世界保健機関(WHO)が認める唯一の水痘ワクチンでほぼ全世界で実用化されています。
残念ながら、今月16日にご逝去されましたが、特に水痘ワクチンが早くに定期接種化され、その効果を実感している米国ではニューヨークタイムスで大きく追悼の記事が掲載されたようです。
日本でも来秋より無料・定期接種化が決定
この水ぼうそうのワクチンが、来秋より「定期接種化」されることが決定しました。
しかもアメリカでは1回が定期接種とされているところ、日本では2回とも定期接種スケジュールに組み込まれ、同時に定期接種化される肺炎球菌のワクチンと併せて、来年度300億円の予算が盛り込まれています。
これで、日本でも「水ぼうそう」は過去の物になっていくはず!吉報ですね。
とくに小さな子どもが集団で生活をする保育所では、自分を守るためだけでなく、1歳未満で予防接種が受けられない小さなお子さんを守るためにも、ワクチンで防げる病気は、防いでいきたいですね。
ちなみに、あまり知られてないことですが、水痘が流行している施設や家族内での予防については、患者との接触後できるだけ早く、少なくとも72時間以内に水痘ワクチンを緊急接種することにより、発症の防止、症状の軽症化が期待できるそうです。
参考リンク
▼KNOW VPD!
http://www.know-vpd.jp/children/va_chicken.htm
▼国立感染症研究所 IASR Vol. 34 p. 295-296: 2013年10月号
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2256-related-articles/related-articles-404/4012-dj4046.html
▼NYTimes Michiaki Takahashi, 85, Who Tamed Chickenpox, Dies –
http://www.nytimes.com/2013/12/22/health/michiaki-takahashi-85-who-tamed-chickenpox-dies.html?ref=health
▼国立感染症研究所感染症情報センター 感染症の話 2001年第24週(6月11日~6月17日)掲載
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g2/k01_24.html
関連キーワード: 感染症