2020年東京オリンピックまでに、風疹ゼロに!
2014.02.05
先日、厚生労働省の専門委員会から風疹の流行を防止するための指針案がまとまったというニュースが報道されました。
『2020年までに風疹をゼロにする!』という目標のもと、免疫のない成人男性に対して予防接種を重点的に働きかける、という内容です。
▼風疹の流行防止のための指針案(厚生労働省の専門委員会)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG22053_S4A120C1CR8000/
このニュースに関して、当協会の認定資格「認定病児保育スペシャリスト」公式テキストの監修者である久住英二先生からコメントをいただきました。
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2013年は、14,000人を越える風疹患者さんと、32人もの先天性風疹症候群の赤ちゃんが
報告されました。
この風疹患者のほとんどは成人です。男性は20-40代、女性は20代が中心です。
ちょうど、結婚をしたり、子供を授かったりする年代です。
成人では、風疹に感染しても、20~50%の人は無症状です。
あなたに免疫がなければ、知らないうち、あなたの大切な人に風疹を感染させてしまうかもしれません。
風疹は飛沫感染しますから、朝のバスや電車のなかで、だれにうつしてしまうかわかりません。
2020年までに風疹を排除しましょう。
それは、まずあなたがワクチン接種を受けることから始まります。
まわりの人にも、ワクチン接種を勧めてください。
2020年が風疹の恐怖におののく年でなく、スポーツの感動に震えることのできる年になるように。
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久住先生のコメントにあるように、国立感染症研究所では、妊婦が感染することで胎児の目や耳に障がいが起こる先天性風疹症候群について統計をとっています。昨年2013年の出生児数は32人、今年に入ってからの1ヶ月の間ですでに3人の出生児が診断されています。
▼先天性風しん症候群、昨年の出生児数は32人
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/2014-01-12-07-59-09/700-idsc/4270-rubella-crs-20140115.html
上のグラフは統計がはじまった1999年からの先天性風疹症候群の年間推移をみたものです。
2004年を除くと、2011年までの出生児数は0人~2人の間で推移しています。
2013年の32人、そして2014年の1月時点での報告数3人がいかに異常な事態であることが、よりおわかりいただると思います。
未来を担う子どものために、ひとりでも多くの大人に風疹ワクチン接種の必要性を理解していただきたいです。
今すぐ!ご自身やまわりの人の免疫の有無を確認し、ワクチン接種をすすめることからはじめましょう!
久住英二先生プロフィール
2008年にJR立川駅の「エキュート」内にナビタスクリニックを開院。「駅徒歩0分のお医者さん」のナビタスクリニックは現在、川崎・東中野の駅ナカにも展開。All About や THE HUFFINGTONPOST にもチャンネルを持ち、専門分野での情報提供にも精力的に取り組まれていらっしゃいます。