【アカデミック導入校に訊く】~奈良学園大学奈良文化女子短期大学部
2017.04.11
JaSCAが保育士養成課程を持つ学校(指定校)向けに展開している「認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)」。この春は100名を超える学生が卒業時認定とともに各学校を卒業しました。
2017年度がはじまりましたが、今年度も複数の学校で新規導入が決まっています。
導入検討中の学校からお問い合わせでよく頂戴するのは、「すでに導入している学校の様子について、具体的に知りたい」というご要望です。
こうしたご要望にお応えするべく、今年で導入4年目を迎える奈良学園大学奈良文化女子短期大学部様を訪問し、お話をうかがいました。
当協会の公式キャラクター「ほっとせい」のポスターとともに出迎えてくださったのは、幼児教育学科学科長の磯辺ゆう先生です。
学内の各所に養護施設や乳児院などでの保育実習の様子が掲示されていました。
磯辺先生によると、先輩が実習を通して学んだ経験を伝えることで、後輩が安心して実習にのぞめるようにと、掲示されているそうです。他にも壁面制作や自然物など時期により様々なものが展示されるそうです。素敵な活動ですね。
いよいよ認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)について、お話をうかがっていきます。
―――「認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)」を受講いただいている学生さんについて、お聞かせいただけますでしょうか。
(磯辺先生)
幼児教育学科の2年生に向け、選択科目(前期)として採用しています。
授業担当者の目が行き届く範囲を考えて、履修登録の人員を30名に制限しています。
また、1年次に履修した科目「子どもの保健」、「子どもの保健Ⅱ」の平均成績80点以上という基準を設け、受講希望を募っています。
(「ほっとせい」のポスターの隣には「認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座」のパンフレットが)
病児保育について学ぶ前提として「子どもの保健(Ⅱを含む)」の内容を理解している必要があると考えているためです。
2016、2017年度は、基準を満たした上で受講を希望する学生が30名を超えたため、成績上位者の30名に絞る選考を行いました。
―――受講を希望した学生さんすべての方が受講できるわけではないのですね。履修の様子について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。
(磯辺先生)
web講座の1講義を大学での授業1回分に割りあて、授業担当者がレクチャーを行っています。
学生は講義内で毎回小テストを受験しています。小テストに合格しないと認定試験を受験できないので、原則欠席不可となっています。
加えて嘔吐処理と応急手当については実技も取り入れていますので、全15講義になります。
8月上旬の定期試験の時期に、修了試験(web講座の1次試験)を受験しています。
実際のカリキュラムはこちら
授業担当者は、日頃から受講した学生全員を1回の受験(注※)で合格させたいと頑張っていますが、1回で全員揃って合格するのはなかなか難しいようです。何人かは再試験になりますが、再試験で合格できたと報告を受けて、ほっとします。
(注※)アカデミック版のパッケージ費用には、修了試験2回分が含まれています。
本試験と再試験(追試)としてご活用いただいています。
―――どの学校さまでも再試験(追試)を受験される学生さんはいらっしゃいますね。
「60分間で100問を回答するので、時間がなくなるのではと焦ってしまって・・・」というお話をうかがいます。初回で不合格の学生さんであっても、ほとんどの学生さんは再試験(追試)で合格されています。ご安心ください。
学生さんが病児保育を学ぶことについて、学校側ではどのようにとらえていらっしゃいますか。日本病児保育協会ではすべての保育者にとって必要な知識・スキルだと考えているのですが。
(磯辺先生)
私たちも「認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)」で学ぶ内容は学生に卒業までに身につけておいてほしい知識・スキルであると思っています。病児保育は、これからますます必要になる内容ですよね。
卒業後の進路は学生によってさまざまですが、保育に関わる以上、急に体調不良になるお子さんの保育はどこかで発生しますので。お子さんのいざという時に、この講義で学んだことを活かしていってもらえればと思っています。
―――導入から3年が経過しましたが、これまでを振り返って何らかの変化はありましたか。
(磯辺先生)
病児保育を学んで卒業していった先輩の良い影響が、後輩にも伝わってきていると思います。
卒業後は奈良県内か大阪府を中心とした近畿圏、もしくは実家のある地域に戻って保育所や幼稚園、乳児院といった社会福祉施設に就職する学生がほとんどですが、2016年度は初めて新卒で病児保育の仕事に進む学生がいます。これからはこうして新卒で病児保育の仕事に進む人が、少しずつ増えていくのではないでしょうか。
また、対外的には本学で病児保育を学べるイメージが定着してきているように思いますね。
オープンキャンパスを実施した時なども「奈良文化に進学すると、病児保育が勉強できるので。」という言葉が高校生から出てきます。
ただ、さきほどお話ししたとおり受講人数に上限を設けていますので、希望者全員が受講できるわけではありません。「成績優秀な場合にのみ受講できますよ」とやんわり説明を入れているくらいです。学生には病児保育を学ぶためにも、1年次の講義をしっかり受講してもらいたいです。
―――学校の志望理由の1つとして「病児保育を学ぶこと」をあげる高校生が出てきているということですね。
良質な病児保育の担い手を養成することを目指す私たちにとって、とても嬉しいお話でした。
今日はお時間をいただき、ありがとうございました。
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日本病児保育協会では、「認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)」を通じて、奈良文化女子大学短期大学部様をはじめ、これからの保育を担う世代の病児保育の学びを引き続きサポートしてまいります。
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