20代~40代の男性に気がついてほしい!「風しん」感染予防の重要性
2017.05.11
先日、厚生労働省のホームページをみたところ「風しんの感染予防の普及・啓発事業」にスペシャルコンテンツが追加されていることに気がつきました。
病児保育のツボでもお伝えしていますが、風しんは風疹ウイルスに感染することで発症します。
同時に風疹ウイルスに感染しても明らかな症状が出ないI(発症しない人)や、風しんに対する免疫ができてしまう人(不顕性(ふけんせい)感染)が50~90%もいることは、あまり知られていません。
明らかに症状が出た人である、2016年(1月ー12月)の風しん発症報告数は125例。
子どもが感染すると思われがちな風しんですが、発症報告数は子どもより大人のほうが圧倒的に多く、特に20~40代の男性に多いのです。
1人の患者から免疫がない7~9人に感染させる可能性がありますから、風疹を発症した人のまわりには、感染してウイルスをばら撒いているけれど、自分では気づいていない大人の男性が相当数いることになります。
さらに、妊婦が風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんが「先天性風しん症候群」(先天性心疾患、難聴などの先天異常の子どもが生まれる)を発症する恐れがあります。その確率は妊娠初期ほど高く、妊娠1ヶ月では50%以上、2ヶ月で35%以上、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%といわれています。
直近では平成25(2013)年の風しん大流行(発症報告数:14,357例)を受け、その前後の平成24~26(2012~2014)年にかけて、44人の先天性風しん症候群の患者が報告されました。
国立感染症研究所のデータによると、2014年の報告を最後に2015年度の先天性風しん症候群の発症報告はないことがわかっています(5月9日現在で、2016年度の報告数を確認できる情報は見当たりませんでした)。
発症報告数では見えてこない不顕性感染によっても「先天性風しん症候群」発症の可能性があるのですから、風しんは「感染予防」が大切な感染症といえます。感染予防にはワクチン接種が有効です。
直近の大流行からしばらく時間が経過し記憶を風化させないために、厚生労働省ホームページの情報も更新されたのでしょう。
風しんの流行時期は春先から初夏にかけて。まさに今の時期です。
大人に、とくに20代~40代の男性にご覧いただきたいコンテンツです。
スペシャルコンテンツ 数字でわかる!!風しん・先天性風しん性症候群
(厚生労働省 風しんの感染予防の普及・啓発事業 ホームページ内)