孫が”乳糖不耐症”の診断。「ミルクはどうするの!?」
2016.07.28
こんにちは、JaSCA事務局みつこです。
ヘルパンギーナがはやり始めていると聞きます。
保育園や幼稚園・学校でのプール授業が取りやめになる日が続いている様子で、大きな流行になっているようですね。
さて、病児保育の中で「乳糖不耐症」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
先天性と後天性があり、多くは後天性です。
急性胃腸炎などから引き起こる下痢が原因で、腸内の酵素が下痢とともに減少してしまうそうです。
8ヶ月児の孫が、胃腸炎の診断のあと2週間下痢が続きました。
お薬が出された(抗生剤と整腸剤)のですが、一向に治まることがありません。
次第に便の形状も変わり、血液らしきものも混じり、1日20回近く下痢状が続き、おしりも真っ赤になり痛々しく、おしりを洗う度泣き叫びます。
赤ちゃんの便は、健康な時でもゆるいものです。
しかも、回数が多いのが普通なので、下痢と判断する基準が難しいですね。
下痢の定義は、『異常に水分が多く、一日に6回以上の便』だそうです。
母乳児は慢性的な下痢の状況ですが、病気であるときは回数が圧倒的に多いわけです。
娘は何度も便を携帯に写して通院のたびに、医師に見せます。
そして、「二次性乳糖不耐症」という診断がつきました。
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【乳糖不耐症とは?】
母乳・ミルク・牛乳などには「乳糖」という糖質が含まれています。
乳糖は小腸でラクターゼという酵素により「ブドウ糖」と「ガラクトース」に分解されます。
ブドウ糖とガラクトースは腸壁から吸収され血液中に移行します。
ラクターゼが欠乏すると、乳糖を消化吸収できなくなります。
その結果、高濃度の乳糖が腸管内にたまり液体を引き寄せ、下痢になります。
吸収されない乳糖は小腸を通過して大腸に入り、腸内細菌により発酵し、
ガスがお腹にたまり酸っぱい臭いの便を起こします。
このような病態を「乳糖不耐症」と呼びます。
※乳糖不耐症には「先天的」なものと「後天的」なものがあります。
先天的なものは、ラクターゼが生まれつき欠けているため、母乳やミルクを飲み始めてすぐに酸っぱい臭いの水っぽい便を頻繁にするようになります。脱水症状や発育障害を起こすこともあります。
欧米人は、昔から乳製品を摂取し続けているので元々酵素活性が高く、乳糖不耐症の人は少ないです。乳製品を摂取する習慣のなかったアジア人や黒人の7-9割は、乳糖不耐症の素因があります。乳児期には母乳やミルクを摂取するためラクターゼの活性が高いですが、離乳とともに酵素活性が低くなります。学校給食等で牛乳を飲んでいる間は酵素誘導が働くため症状が出にくいです。しかし、思春期以降に乳製品を摂取しなくなると酵素活性が低くなり、たまに牛乳を飲んだ時にお腹がゴロゴロするという症状で乳糖不耐症と気付くことがあります。
後天的なものは,ウイルスや細菌による急性胃腸炎にかかった時に起ります。腸の粘膜がただれて、一時的にラクターゼの分泌が悪くなって酸っぱい臭いの便をするもので、これを「二次性乳糖不耐症」と呼びます。
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孫は、2ヶ月近く経ってようやく症状が軽くなりました。
便の状況も変わってきたところで、ビオフェルミンを食前の15分前に飲ませ、
普通のミルクを10CCから徐々に増やしてくようになりました。
離乳食も元に戻しつつ、それでも乳糖不耐症対応のミルクを飲ませています。
余談ですが、このミルク結構高価なミルクです。
この頃は立つとしばらく均衡を保って支え無しでいられるようになりました。
下の歯は2本、そろそろ上の歯も出る頃、
身長・体重は相変わらず成長線の下方ですが、喃語(パパパパプを繰り返す)も聞こえ、
毎日何かしら変化していく9ヶ月児はかわいい盛りです。