≪3歳児の熱性けいれん≫
2015.01.15
こんにちは!
JaSCA事務局のみつこです。
話題豊富な3歳児ヤス君の体験記≪ケイレン≫をお伝えします。
小春日和の続いた日の夕方、
ヤス君のママから連絡が入りました。
遊びに来るのかな?とわくわくしてメールを見たら、
何とケイレンをおこし病院に行っているとのこと、
上の二人を家に置いたままなので、様子を見てきてほしいとのリクエストでした。
ということは、3歳ヤス君が発症したのね!
二人の帰宅を待っている時間の長いこと、
病院から電話は出来ないだろうし、メールなど打つ余裕もないだろうし、、、
連絡から3時間ほどして帰ってきたので、ほっとしました。
何気なく様子を聞き取ると。
*状況*
三日前から発熱、
食欲はあまりなく、
水分も欲しがらない、
でもフルーツ(イチゴ大好き)は食べている
機嫌は悪くないが、
活気が少ない
特に病院受診はせず、鼻水と咳が出ているので風邪かな?と家で様子を見ていた
<38度7分>を少し上がったり下がったりしていた
「ふむふむ、なるほどね。」
お医者さんみたい!と、言われつつ、聞かせてもらいます。
*当日の経緯*
昼ごろ<検温39度1分>と若干上がった
水分を摂らせようと麦茶を取りに立とうとしたとき、
はじめ小さくピクンと2回体が動き、呼びかけたところ反応せず、身体が硬直した。
1分くらいで硬直が解けたので、全身状態を見ていてた。
その後けいれんは起こらず眠ってしまった。
その間5分くらいかかった感じがした。
さてどうしようかと思ったが、やはり受診に行こうと決めた。
なぜなら、3か月ほど前に一度けいれんを起こしていたので、不安が増した。
こどもの様子から緊急性はないかと判断し、救急車を要請するか躊躇したが、タクシーにした。
*病院受診*
窓口対応は素晴らしかった、
「救急車が優先されるので、小さいお子さんは利用したほうがいいですよ」
と、声をかけてくださり、まず落ち着けた。
診察室前まで行くと、すぐ無人の診察室(待機室とおもうが)に案内され、こどもを寝かせた。
しかし目を覚まさない、大丈夫かな?
どのくらい待つのかな?
やっぱり救急車でくればよかったかな?
この時間が一番苦しかったようです。
しかし!看護師さんが一度様子を見に来て、簡単な問診をして、
しばらく待っていてくださいと言われたら、力が抜けて 涙
三人目の子といえども不安と緊張は計り知れないねー
*診察*
待つこと30分、さて診察開始
問診では、昨日までの子供の様子、服薬している薬、けいれんの状況、家族歴の有無、全身状態、のどの様子、等静々と診察が進みます、それでもまだ目を覚ましません。
「かなり深く眠っているが、こん睡しているようではないので、もうしばらく予備室にいてもいいよ」
と言ってくださり、【ダイアップ】を入れました。水分摂取が少ないようであれば点滴も必要だけれど、
もうしばらく様子を見て目を覚ますまでいようと思ったそうです。
なぜか、病院にいられる、お医者さんがいるって安心できるね。
お医者さんの診察から注意すべきこととして
・市販のかぜ薬は【抗ヒスタミン剤】がふくまれていて、けいれんを誘発することもある
・カゼ症状が出たときはなるべく早めに受診すること
・予防薬【ダイアップ】は今回処方しないが、今後の様子を見て判断しましょう
15分ほどして目を覚ましたヤス君は病院にいることでパニックになりました、
再び先生登場、なぜか泣き止みましたが、
「ここには記載できない言葉を発しました」ということあり、お医者さんは帰宅していいとのこと。
大好きなタクシーに乗って帰ってきました。
*余談*≪出典:上大岡こどもクリニック All Rights Reserved.≫
ダイアップのような薬を使って熱性けいれんの予防をするのは実は世界中で日本だけです。
北欧ではダイアップと同じ成分が浣腸のような形になったものが発売されていますが、
これはけいれんを止めるためで予防薬ではありません。
予防をしない理由は「熱性けいれんは数分で止まり、大きくなればおこさなくなる。
けいれんの回数が多少増えてもそのために脳に障害をおこしたり、てんかんに代わっていく訳でもない」
という考えに基づくものです。
日本では伝統的にけいれんを忌み嫌う傾向があり、なかなかここまで割りきれる方は少ないのですが、
熱性けいれんを心配するときには参考になる考え方だと思います。
JaSCA公式webサイトの「病児保育のツボ」でも熱性けいれんを取り上げています。
熱性けいれんについて詳しくはこちらからどうぞ。
⇒【もう熱性けいれんで慌てない】基本対応のすべて!
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